批評の手帖

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『混沌と抗戦―三島由紀夫と日本、そして世界』(水声社)が刊行されました。

混沌と抗戦―三島由紀夫と日本、そして世界

混沌と抗戦―三島由紀夫と日本、そして世界

 今から丁度1年前の2015年11月、三島由紀夫生誕90年・没後45年を機に催された「国際三島由紀夫シンポジウム」(東京大学駒場キャンパス、14日、15日/青山学院大学アのスタジオ、22日)に私も参加したのですが、昨日、ついに、そのシンポジウムの記念論集『混沌と抗戦―三島由紀夫と日本、そして世界』(水声社)が自宅に届きました。さすがに一年間かけただけあって、書名といい、装丁といい、内容の幅広さといい、素晴らしい仕上がりになっています。
 私自身は、大きく分けて、三つの文章を寄せています(正確には「三島由紀夫と保守思想」の「序」も合わせれば4つですが)。一つは「三島由紀夫の『宿命』―〈文学―天皇―自決〉の連関について」というシンポジウム内での短い講演を纏めたもの。二つ目は梶尾文武氏(神戸大学)と南相旭氏(仁川大学)という、気鋭の三島由紀夫研究者と交わした「三島由紀夫と保守思想―『文化防衛論』をめぐって」という公開討論を文字化したもの。そして、三つ目は、小説家であり文芸批評家でもある三輪太郎氏の講演「三島とカラジッチ、あるいは政治と文学の『間』」の付録として寄稿した、「三輪太郎著『憂国者たち』について」という書評文です。三島の専門家でもない私が、ここまで深入りしていいのかという思いがないわけではありませんが、しかし、この論集の内容が充実したものであることは間違いありません。手に取って頂ければ幸いです。
 この場を借りて、梶尾さんと南さんに感謝申し上げると共に、この度のシンポジウムの企画から運営、そして論集の編集でもお世話になった井上隆史先生(白百合大学)及び山中剛史先輩(中央大学兼任講師)、そして、編集実務を担って下さった水声社の皆さんに改めて感謝申し上げます。お疲れ様でした。そして、ありがとうございました!