- 作者: 浜崎洋介
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2017/05/15
- メディア: 単行本
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2013年から2016年までの4年間に書き溜めた評論を、改めて主題ごとに構成し直して本にしたものです(なかには、この度の評論集のために、過去に書いた二つの経済時評を一つに合わせて書き直したものもありますが)。もちろん、私一人の力でこのような評論集が編めたわけではありません。この本ができるまでには本当に多くの人の支えと助けがありました。担当の吉安さんはじめ、関係者の皆様に(書いていると切りがないのでここでは省略させていただきますが)、この場を借りて心から感謝申し上げます。ありがとうございました!
この本には、デビューからこれまでの私の全てが詰まっています。しかし、ということは、この本によってまず何よりも私自身が自分の「過去」を整理することができ、また次の仕事に向けて歩きはじめられるということでもあります。自分で言うのもなんですが、装丁も含めて本当にいい本に仕上がりました。この時期に、このような評論集が出せたことの僥倖に感謝しながら、改めて気を引き締めつつ、前を向いて歩いていければと思っています。
以下は宣伝文、目次などです。手に取って頂ければ幸いです。
1978年生まれの筆者の周囲にあったのは、茫漠たる郊外ーーニュータウンだった。
その出発点から、戦後思想とはどのように映るのか?
大東亜戦争、象徴天皇、三島由紀夫、小林秀雄、福田恆存、柄谷行人、中上健次、
坂口安吾、あるいはロレンス、ピケティ・・・・。思索を深めるにつれ、あらわれて
きたのは「政治と文学」という問題だった。本書は、必ずしも「戦後批判」を志向
していない、端的に「戦後よ、さよなら」と言うものだと考えてもらいたい、と
筆者は言う。さらに、こう続ける。いずれにしろ、私は「政治と文学」のけじめを曖昧にしながら、
いつかその両者が一致するだろうことを夢見るような「戦後」的な
言葉については何の興味もないことだけは断っておきたい。
私の描きたかったのは、人間の可能性ではなく、必然性であり、
人間の自由ではなく事実だった。 (あとがきより)いま文芸、論壇界で注目を集める気鋭の批評家が、
戦後思想に新たな問題を提起する画期的論考!Ⅰ部―政治と文学
郊外論/故郷論―「虚構の時代」の後に
三島由紀夫の「宿命」―〈文学―天皇―自決〉の連関について
「象徴天皇」の孤独
宿命としての大東亜戦争論
「戦後」よ、さようならⅡ部―文学と政治中上健次と私
小説の運命
柄谷行人試論―〈単独者=文学〉の場所をめぐって
福田恆存とシェイクスピア、その紐帯
坂口安吾の「いわたり」Ⅲ部―幸福について
「落ち着き」の在処
ロレンスとピケティ―交換可能なものに抗して
小林秀雄の〈批評=学問〉論
落語の笑い―春風亭一之輔の方へあとがき