批評の手帖

文芸批評家・浜崎洋介のブログです。

「保守思想入門」完結!—第13回「日本人の『規準』はどこにあるのか?——福田恆存と保守思想」の公開

imidas.jp
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 第13回「日本人の『規準』はどこにあるのか?——福田恆存と保守思想」の公開で、ついに、「保守思想入門」の連載(集英社・imidas)が完結しました! 
 内容の方は、吉本隆明、丸山眞男、江藤淳、三島由紀夫などにも登場してもらいつつ、題名の通り、私の〈福田恆存論=戦後保守思想論〉の総括のような文章になっています。一読頂ければ幸いです。

 ちなみに、今見たら、最初の第一回の連載が「2023.11.15」UPとあるので、私は、この連載に足掛け3年弱もの時間を費やしたことになるんですね……、ホント、長かった(笑)。こんなに時間がかかってしまったのは、偏に私の怠惰と不器用(遅筆)ゆえのことですが、それでも完成できたのは、この間ずっと諦めずに伴走してくれた編集者の吉田さんがいたからこそです。
 何とか書き終えた原稿を送ると(〆切を過ぎても送れなかったことも度々でしたが…汗)、吉田さんは、必ず長い感想(しかも正確な読み)と共に励ましの言葉を送ってくれて、私の重い尻を適切に叩き続けてくれたのでした。吉田さんのサポートがなければ、こんなに理屈っぽくて、しかも、誰が必要としているかも分からない孤独な仕事、どこで放り出していたかも分かりません。改めて、吉田さんには感謝申し上げたいと思います、長い間、本当にありがとうございました!
 この度の仕事は、「保守」という、実は「理屈」のない思想に——「馴染んでいること」それ自体に規準を置く思想に——、それでも「理屈」をつけていくという、なかなか面倒な試みだったわけですが、それゆえに、カール・マンハイム、ディルタイ、ウィリアム・ジェームズ、マイケル・オークショット、そして、(敵役としてのカント、ルソー、ロベス・ピエール、ヘーゲル、マルクス)、エドマンド・バーク、アーレント、ベンヤミン、フロム、G・K・チェスタトン、T・S・エリオット、オルテガ、ベルクソン、ハイデガー、ウィトゲンシュタイン、西田幾多郎、九鬼周造、小林秀雄、山本七平、福田恆存と…、様々な思想家の言葉をたよりにしながら、ようやく書き終えることができました。こんなに面倒くさい連載に付き合って頂いた読者の方々には(そんな奇特な読者がいたとして…笑)、改めて感謝申し上げたいと思います。ありがとうございました!
 今後は、これをどう書籍化するのかというフェーズに入りますが、それはそれで落ち着いて準備していきたいと思っています。引き続き、どうぞよろしくお願いします!

吉田ロンドー同人雑誌『まほろば』創刊!

note.com
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 昨日のブログ更新時に触れるのを忘れてしまい、今更ながらの告知となってしまいましたが(移動中だったので許して下さい…汗)、京都の学生サークル「吉田ロンド」による同人誌『まほろば』が創刊されました。
 私自身、ザっと読んだ印象としては、「これぞ、古き良き同人誌の伝統!」というもの(少なくとも、お高くとまった『中央公論』よりは絶対に面白い!)。
 京都府立第一中学校時代の村山槐太が大正初期に結成した同人グループ「毒刃社」の回覧同人誌、あるいは、中原中也が、河上徹太郎や大岡昇平と共に出した昭和初期の同人誌『白痴群』なんかと同じ匂いがします。彼らは、そんな戦前日本の同人誌など知らないと言うだろうけど、若い奴らの出す「熱」というのは、いつの時代も変わらないものです。金も地位も経験もないけれど、自分たちだけで何かを作りたいという情熱と、持て余した暇だけで(笑)、ここまでのものが出来てしまうというのが、ホント、若者の恐ろしいところです。
 私自身、「東から来た者の眼には、西の連中の『蕩尽』は正直眩しい。すでに東京では死に絶えたと諦めていた日本の猥雑とアナーキーは、まだ京大には生き残っていた!」という推薦文を寄せています。
 もし、今の若者の「実践」が気になるという奇特な方がいれば、手に取って頂ければ幸いです。次代の日本で暴れてくれるであろう知性の言葉です。雑誌の購入は、以下のサイトhttps://yosida-rondo.booth.pm/から可能なようです。以後、お見知りおきを!

新生『表現者』の始動と、動画2本!

 『表現者クライテリイオン』最新刊(2026年9月号)が発売になりました!
 リニューアル後の最初の号であり、「表現者クライテリオン」改題50号でもある本号は、表紙を見ても分かると思いますが、まさに「新体制の船出」に相応しい号となっています。手にとって確かめて頂ければ幸いです。
 とはいえ、私自身は編集委員を降りた身なので(…汗)、自分が関わった仕事と、ザっと読んだ限りでの雑誌の見どころについて簡単に触れさせて頂ければと思います(実際、誌面の詳細については、雑誌を手に取るまで何も知らされていません・笑)。
 まず、私自身の仕事は以下の二つとなります。①今号の特集である「『寛容』という暴力—あるいは健全な自文化中心主義(エスノセントリズム)の擁護」の冒頭座談会「移民受け入れの規準は『日本文化』にあり」への参加と、➁「戦後精神史入門」という新連載です。
 前者の座談会には、新体制の「編集協力者」でもある施光恒氏、大場一央氏、辻田真佐憲氏と共に参加していますが、「自文化への自信」が必然的にもつ「寛容の限界」についての思考を深める切っ掛けになればと思っています。
 また、後者の新連載の初回は、とりあえず「序・再び見出された『現実』のために」と題して書き始めましたが、imidas(集英社)での「保守思想入門」の連載も書き終わったことだし(掲載は後日になります)、「これからの自分自身のメインの仕事」として、気長に取り組むつもりでいます。戦前の精神史を描いた『ぼんやりとした不安の近代日本—大東亜戦争の本当の理由』の続編として、また、『絶望の果ての戦後論—文学から読み取る日本精神の行方』のもう一段深い変奏として書き継ぐことができればと思っています。歴史の素人である文芸批評家がどこまで書けるかは分かりませんが、ご興味があればお、新生『表現者』と共にお付き合い頂ければ幸いです。
 …で、自分の仕事の告知はそのくらいにして、次は、刷新された誌面ですが、まず冒頭から、巻頭オピニオンで、柴山さんのボリュームのある社会批評が読めることは有難い。お世辞抜きで、今の我々が置かれた現在地を柴山さん以上に的確に分析できる人を私は知りません。また、巻頭コラムとして、伊藤貫氏と小幡敏氏の競作—性格の違うベテランと新鋭の競作!—が読めるのも嬉しい。これで雑誌の幅と奥行きの深さを確かめることができます。
 その他、小特集「『皇室典範改正』論議の空虚」では、今回の改正手続きに疑義をもつ片山杜秀氏と、逆に、今回の改正に意義を見出す新田均氏への長尺インタビューを載せ、また、「追悼 桶谷秀昭—孤高の思想家は何を遺したか」(新保祐司氏×山本直人氏×小野耕資氏×富岡幸一郎氏)として、桶谷秀昭論を展開しているあたり、「思想誌」の名に恥じない誌面作りになっているのではないでしょうか。また、「思想」ついでに言うと(笑)、今回から立ち上がった新企画「覆面座談会—流行思想解剖」も見逃せません。第1回は「國分功一郎の確かな『敗北』について」と題して、哲学者の國分功一郎氏の『天皇への敗北』(新潮新書)を取り上げ、リベラル論壇の論理的陥穽(偽善と感傷)を徹底的に剔抉しています。
 その他、大場一央氏、川端祐一郎氏、小幡敏氏による新連載も始まりました。どれも私自身が読みたくなる評論・記事ばかりですが、ご興味があれば是非一読頂ければと思います。
 また、最後になりましたが、これからの『表現者』の方向性と覚悟については、冒頭にある「読者の皆様へ」(規準社・近藤晶生)と、巻末の「編集後記」を読んで頂ければと思います。
 以下は、編集部が書いた巻頭言と目次です。参考にして頂ければ幸いです。

巻頭言
「多様性」や「寛容」という言葉がドグマとして蔓延した現在の言論空間において、移民増加等に向けられる生活実感に根ざした感情は「排外主義」というレッテルによって抑圧されている。
しかし、人類は具体的な共同体の中で生きることが運命づけられており、その共同体によって育まれた価値体系の中で世界を見、ものを考え、幸福を感じ、善悪を判断する。ゆえに、その価値体系を根本的に突き崩そうとするものが現れた時、それに抵抗しようとするのは人間の自然なる防衛本能である。
もちろん、既存の価値体系は完全に閉じられたものではない。新奇なもの、異質なものとの出会いを、ただ恐れるだけでなく喜んで迎え入れ、自らを変容させていくこともまた自然の心性である。だからこそ、私たちは何を迎え入れ、何を拒むべきか、いま厳しく問われているのはその境界のクライテリオン(=規準)である。
どこまでも曖昧に移民を受け入れ、境界を溶解させていく政府の態度は、自己の輪郭を失い、自他の区別を截然とできなくなった日本人の精神の反映に他ならない。本誌はこの困難な時代にあらためて「寛容」や「排外主義」といった言葉の再定義を試みる。そして、人々の声なき不安を生活者の権利としてすくい上げ、「健全な自文化中心主義」をどの文化も当然に持つべき態度として提示する議論を展開することとした。
表現者クライテリオン編集部

目次
【巻頭オピニオン・コラム】
・「極」の擁護/ 柴山桂太
・伊藤貫のワシントン・ラプソディ 「アメリカによる世界一極化」という妄想/ 伊藤 貫
・非国民のすゝめ 秩序は嘲笑すべし/ 小幡 敏

【特集:「寛容」という暴力──あるいは健全な自文化中心主義(エスノセントリズム)の擁護】
◆特集座談会
・移民受け入れの規準は「日本文化」にあり/ 施 光恒×大場一央×辻田真佐憲×浜崎洋介

◆特集論考
・不寛容なくして寛容なし 歴史を貫く寛容のパラドックス/ 森本あんり
・日本で「統合政策」は可能なのか/ 川端祐一郎
・「神国日本」が拒絶したもの/ 三浦小太郎
・共同体の境界設定と共存の作法/ 中田 考
・受託の責務としてのナショナリズム 「責任なき寛容」の暴力を越えて/ 白川俊介
・レッテルが言論を閉ざすとき 「寛容」はなぜ排除へと反転するのか/ 佐藤慶治

【小特集:「皇室典範改正」論議の空虚】
◆インタビュー
・覚醒か、日本の滅亡か 熱量なき改正は皇室を破壊する/ 片山杜秀
・令和の正統論と保守派が直視すべき覚悟/ 新田 均

【特別座談会】・追悼 桶谷秀昭 孤高の思想家は何を遺したか/ 新保祐司×山本直人×小野耕資×富岡幸一郎

【連載】
・覆面座談会 流行思想解剖 第1回 國分功一郎の確かな「敗北」について 『天皇への敗北』を読む
・虚構と言語 戦後日本文学のアルケオロジー 第四十五回 世界潮流の中の日本 憲法九条はどこへゆく/ 富岡幸一郎
・満洲こぼれ話 第7回 平民列伝①/ 小幡 敏
・戦後精神史入門 序 再び見出された「現実」のために/ 浜崎洋介
・「農」を語る 第1回 「武」に通ずる「農」/ 荒谷 卓×小野耕資
・儒学者たちの実存と実像① 孔子 「門弟三千」の孤独としくじり/ 大場一央
・考える機械を考える 第1回 「考える機械」は本当に考えているのか/ 川端祐一郎

 あと、以下は、最近出した動画の2本です。こちらの方も、よろしければ是非。
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座談会:「1995」とは何だったのか(香山リカ氏×吉田徹氏×雨宮処凛氏×浜崎)と、動画一本

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 今年の4月にやった座談会「imidas刊行40周年記念座談会:「1995」とは何だったのか」が、ついにimidasのウェブサイトにアップされました。
 imidasでは、現在「保守思想入門」を連載していますが(次で最終回ですが、その原稿も今週中に書かなければなりません…汗)、その縁で、この度の座談会に呼んで頂いたという次第です。
 やっぱり、「95年」は、戦後日本史における決定的な転回点の一つなんでしょう。阪神淡路大震災、オウム真理教事件、バブル後の最初の金融危機、青島幸男・横山ノックなどタレント知事(≒緊縮改革知事)の誕生、「村山談話」の発表、加藤典洋の『敗戦後論』に纏わる論争(加藤典洋・西谷修、柄谷行人、高橋哲哉など)、小林よしのり『戦争論』の刊行と翌年の「新しい歴史教科書をつくる会」の結成(96年)、ウィンドウズ95の発売、アニメ『新世紀エヴァンゲリオン』放送開始、援助交際を含む「コギャル」文化(=終わりなき日常by宮台真司)の台頭etc…、全てが「現在」と地続きの事象ばかりで、改めて「95年」に落とし前をつけることが、そのまま「戦後」に落とし前をつけることなんだと思わされます。
 座談会への登壇者は、それぞれに「95年」を生きてきた香山リカ氏(医師・文筆家)、吉田徹氏(政治学者)、雨宮処凛氏(作家・エッセイスト)、それと、一番歳下の浜崎(文芸批評家)となっています。世代も立場も違う四人ですが、だからこそ馴れ合わない良い座談会になったのではないかと思っています。ご興味があれば、是非!


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 あと、最近アップされた動画一本です。しかし、思い返せば、こちらの方もある種の「95年」論と関係しているかもしれません。というのも、現在の「疲弊」をもたらした橋本内閣の「財政構造改革」(≒緊縮改革主義)は、間違いなく、95年の青島幸男や横山ノックなど緊縮改革知事の誕生の流れ(=空気)のなかから現れているからです。
 こちらの方も、ご興味があれば、ご覧になっていただければと思います。よろしくお願いします!

追伸——「お詫びと訂正」
 先日、このページで、imidasの発刊年を「95年」と記してしまいましたが、私の勘違いでした(汗)。imidas創刊は1986年。そして、今回の座談会は「刊行40周年を記念しての特別座談会」とのことでした。多分、「40周年記念座談会」と聞いたものを、そのまま「30周年記念」と思い込んでしまったんだと思います。お詫びすると同時に、ここに訂正させて頂きます。

李御寧『「縮み」志向の日本人』書評(『文藝春秋』8月号)の告知と、最近の動画集など…

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 最近、色々とバタバタしているせいで告知が遅れてしまいましたが、『文藝春秋』でやっている連載「『保守』と『リベラル』の教科書』の方に、李御寧『「縮み」志向の日本人』の書評「日本人の強みとしての『縮み』」(『文藝春秋』8月号)を寄稿させて頂きました。
 この本は、最近読んだものの中でも出色の日本人論で、直近で言えば、品川での講演会(経営科学出版/7月3日)、表現者塾での講義(7月11日)、信頼資本財団の講義(7月18日)と、色んなところで使わせてもらっています(笑)。
 ちなみに、『「縮み」志向の日本人』だけを読んでも、多分「へぇ~、そうなんだ」で終わってしまうのが普通だと思いますが、私の場合、この日本人特有の「縮み志向」に、西田幾多郎の「純粋経験」や、九鬼周造の「いき」の倫理学、あるいは、山本常朝の『葉隠』(武士道)や、井上毅の「しらす」の政治学などを重ねられるところに「日本倫理学」の新しい可能性を見ることができるのではないかと考えています。
 この主題については、近々動画も出そうと思っていますが、さらに、imidasで連載している「保守思想入門」の最終回でも触れようと思っています。
 『文藝春秋』の書評の紙幅では、さすがに主題を展開する余裕はありませんでしたが、李御寧の『「縮み」志向の日本人』の内容は、コンパクトに纏めて(=縮ませて)おきました(笑)。ご興味があれ、一読頂けると幸いです。

 後は、最近の動画集(上から古い順)です。

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 それにしても最近は、大学の仕事に加えて、動画なり、座談なり、講演などの仕事が多くなり、「物書き」としての時間を確保するのがだんだん難しくなってきいたせいもあって、新規の仕事(講演会や討論会や動画出演その他)をお断りすることが多くなっています。
 仕事をお断りした方々には申し訳ないと思いつつも、決して他意はありませんので(…汗)、ご容赦願えれば幸いです。

『表現者クライテリオン』最新刊、保守思想入門、文春PLUS、クライテリオン動画!

 私が編集委員として関わるものとしては最後の『表現者クライテリオン』(7月号)が出ました。
 詳しくは本誌掲載の「読者の皆様へ—雑誌運動の継承と刷新」の全文(あるいは編集後記など)を読んで頂ければと思いますが、その編集体制の変更に関する部分のみを引用すれば…、以下の言葉に尽きるかと思います。

 「『表現者クライテリオン』は、次号から編集体制を一新する。編集委員ではなく規準社が編集権を持って運営する体制となる。編集委員が『個』として雑誌に関わる体制から、規準社が『組織』として運営全般に関し責任を持つ体制への移行である」。「この八年間、雑誌を牽引してきたのは藤井聡編集長であった。現在は編集委員を離れており、読者の中には複雑な思いを抱いている方もおられるだろう。しかし、本誌は編集委員が個人として参加する雑誌であり、われわれが事情を承知していない事柄について、この場で論評を行うことは差し控えたい。いずれにせよ、今回のリニューアルは、以前から議論を重ねてきた体制移行の一環であり、昨今の件とは直接の関係がないことは申し添えておく」、「文芸誌や論壇誌は、どれもそのような運命を辿っていく。雑誌は、一人二人の情熱だけでは続かない。書き手と編集者、また営業から発送、宣伝、催事の運営に至るまでを手伝ってくれる協力者、広告を提供してくれる支援者、そして何より読者の支持があってはじめて続く運動である。誰もが気軽に『保守』を名乗る今の言論状況にあって、真正保守として三十年余の歴史を重ねてきた本誌の運動はこれからが正念場である。この雑誌を手に取ってくれた全ての読者に、この八年間の応援をあらためて感謝するとともに、次号から始まる新世代の雑誌づくりに、引き続きご支援を賜れば幸いである。」(編集委員を代表して—柴山桂太)

 ……この8年半、本当に色んなことがありました……が、まだノスタルジーに浸るのは早そうなので(笑)、改めて雑誌及び規準社へのご支援を賜りますようお願い申し上げたいと思います。次号から、私自身は編集委員を降りますが、それは即ち雑誌の「自立」を意味しています。とはいえ、引き続き、陰に陽にと雑誌をサポートしていきますので(アドバイザリーのような立場で——新体勢の詳細については、おそらく次号での告知になるかと思います)、より一層のお引き立てをお願い申し上げたく、今後とも、何卒よろしくお願い致します!

 で、今号の特集ですが、ずばり「アメリカが世界を破壊する」と「さらば『平成保守』!」の2本立てです。
 私自身は特集座談会「アメリカはどんな『世界』を目指すのか」(施光恒氏×柴山桂太氏×川端祐一郎氏×浜崎)に参加するとともに、巻末オピニオン「変貌するアメリカ—自由の限界について」を寄稿しています。眼に留まることがあれば、一読頂ければ幸いです。
 その他、第一特集の「アメリカが世界を破壊する」の方は、 森本あんり氏、会田弘継氏、中田考氏、安藤礼二氏、白井聡氏、ジェイソン・モーガン氏、柴山桂太氏による寄稿があり、ハッキリ言って「贅沢」の一言に尽きます(笑)。
 また、 第二特集「さらば『平成保守』!」の方は、辻田真佐憲氏、梶原麻衣子氏(元『WiLL』『Hanada』編集者)、中村雅和氏(産経新聞社/『正論』編集部)、藤井雄太氏(規準社)、川端祐一郎氏による寄稿があり、こちらの方も「平成保守」の時代を掻い潜って来た方々の体験談を含め、そんじょそこらでは読めない「平成保守論壇総括」の貴重な言葉が読めるはずです。
 以下に、巻頭言と目次を提示しておきます。参考にして頂ければ幸いです。

巻頭言
トランプを一言で形容すれば、やはり「壊し屋」ということになるだろう。「相互関税」によって国際自由貿易の時代に終止符を打ち、軍事負担を増やせという要求に応じたNATO加盟国は、軍事費をGDPの5%にまで増やすことで合意した。 そして、現下のイラン戦争である。事前の通告も、関係国への丁寧な根回しもなく、いきなり空爆して指導層を排除する。国際秩序は過去のさまざまな合意の積み重ねで成り立っているから、トランプはそれを一気に打破しようとしている。
背景には、このままではアメリカの衰退を止められないという危機感があるのだろう。だが、旧秩序を強引に新秩序に転換させようというのは、失敗の可能性がきわめて高いギャンブルである。果たしてトランプは何を目指しているのか。高市政権はこのままアメリカを支持し続けるべきなのか。イランの側は、どのような原理でアメリカと対峙しようとしているのか。イラン戦争をめぐるさまざまな論点を掘り下げながら、世界と日本の将来を考える。
表現者クライテリオン編集委員 柴山桂太

目次
【特集座談会】
・アメリカはどんな「世界」を目指すのか/ 施 光恒×柴山桂太×浜崎洋介×川端祐一郎

【特集論考】・「海」の帝国と「陸」の抵抗 トランプ主義の先に待つ大空位時代/ 柴山桂太
・アメリカの無理解と市民宗教の消失/ 森本あんり
・宗教地政学から読み解くイラン・アメリカ戦争の意味/ 中田 考
・アメリカの暴力性について/ 会田弘継
・不滅のイラン、来るべき哲学の革命に向けて/ 安藤礼二
・保守の隷従、リベラルの屈従/ 白井 聡
・ワシントンはリベラル主義を武器にして世界を破壊した/ ジェイソン・モーガン

【特集論考】
・人格と教養 令和の保守に残された宿題/ 川端祐一郎
・わが体験的「平成保守史」/ 辻田真佐憲
・「言論の空疎化」に保守はどう向き合うべきか 対米自立を“軸”として/ 梶原麻衣子
・「活字による社交」はどこへ消えたか/ 中村雅和
・「揺りかご」を壊すとき/ 藤井雄太

【連載・特別対談】
・與那覇 潤連続対談 在野の「知」を歩く 第10回 「心」を語らない臨床の半世紀 (後編)/ ゲスト 信田さよ子
・虛構と言語 戦後日本文学のアルケオロジー 第四十四回 世界潮流の中の日本 イラン国家の不滅性/ 富岡幸一郎
・満洲こぼれ話 第⑥回 “戦争を見る眼”と敗戦前後/ 小幡 敏
・「農」を語る 第②回 「農」の課題を映画で描く (後編)/ なるせゆうせい×藤井 聡
・「過剰医療」の構造と「適正な医療」のかたち 第⑫回 「透析医療」の闇 病院の都合で奪われる患者の自由/ 森田洋之
・日本のアンチモダン 第⑪回 東洋的豪傑② 西部死すとも、保守は死せず 『保守のコスモロジー』をめぐる真我のありか/ 平坂純一
・東京ブレンバスター24 彼女がスニーカーに履き替えたら れいわ新選組とは何だったのか/ 但馬オサム
・リレー連載 映画とわたし 第⑧回 逆噴射家族 小林よしのり「風刺する精神」/ 平坂純一

【寄稿】
・古流剣術から学ぶ生きる知恵 令和の時代の武士道の実践/ 脇 拓也

【巻末オピニオン】
・変貌する「アメリカ」 自由の限界について/ 浜崎洋介

【書評】
・『コンサルの正体 国家を蝕む黒幕たち』マリアナ・マッツカート、ロージー・コリントン 著/ 田中孝太郎
・『キリスト教ナショナリズム 不穏なアメリカの変貌』森本あんり、渡辺靖 著/ 粕谷文昭
・『保守のコスモロジー』富岡幸一郎 著/ 小野耕資
・『ロシア宇宙主義全史 神化思想からトランスヒューマニズム・人新世へ 』乗松享平 著/ 山田陣之祐
・『天皇への敗北 シリーズ哲学講話』國分功一郎 著/ 髙橋直也


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 あと、保守思想入門の第12回「『伝統』はどのようにして発見されるのか?——近代日本と小林秀雄」をようやく公開できました。テーマが小林秀雄ということで、どこまで新しいことが書けるのか…と思っていましたが、小林秀雄の「批評」において、西田の「純粋経験」と九鬼の「運命論」との交点を見いだすというアクロバティックな(しかし整合的な)議論をしています。おそらく、相当新しい視点だと思います(笑)。こちらの方も、ご興味がありましたら一読頂ければ幸いです。
 また、今回が日本編に入ってから3回目の連載ということで——①日本人論(木村敏、梅棹忠夫、丸山眞男、河合隼雄、山本七平など)、➁日本哲学論(西田論・九鬼論)、③日本批評論(小林秀雄論)――あと、残すところは、最終回の④戦後論(福田恆存、三島由紀夫、江藤淳etc…)のみとなりました。掲載が遅れ、本当に終わるのか(?)とも思った連載でしたが…、ようやく後一回のところまでたどり着きました(本当に筆が遅くて申し訳ありません…汗)。
 引き続きのご愛顧を賜りますようお願い申し上げます!


 で、後は文集PLUSと表現者クライテリオン・チャンネルの動画です。ご興味がありましたら、こちらの方もよろしくお願いします!

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もぎせかチャンネル「保守思想で見るアメリカの迷走」(6月7日)、トーク・イベント「新しい武士道―混迷の時代をどう生きるのか」(執行早舟氏×浜崎)、学生の活動と、その他の動画集


tiget.net
 ギリギリの告知になってしまって大変恐縮ですが(汗)、一週間後の6月7日の日曜日、茂木誠先生と恒例のトーク・イベント(@京都)を行います。題して「保守思想で見るアメリカの迷走—ネオコン、福音派、シオニスト、MAGA、リバタリアン」です。
 もちろん、私はアメリカ論の素人です。が、日本人にとって「アメリカ」とは、好むと好まざるとに関わらず、どうしても付き合っていくしなかい厄介な隣人であることも事実です(というより以上に、敗戦以降は、戦後日本の実質的な「宗主国」です)。ということで、その「アメリカ」で、今、何が起こっているのか…、それを茂木先生と論じながら、日本の取るべき態度、また向かうべき方向性などにいついて議論できればと思っています。
 茂木先生が関西出張する機会は、そう多くないはずです。ご興味のある方は「浜崎洋介先生@京都「保守思想で見るアメリカの迷走」 のチケット購入・予約は TIGET から」を参照の上、「TIGET | ライブイベントのチケット販売・購入・予約」からご参加ください。


store.kinokuniya.co.jp 
 また、以前も告知した「『草舟言行録Ⅴ 新しい武士道』刊行記念イベント、新しい武士道―混迷の時代をどう生きるのか」(2026年6月16日・火曜、18:30 開場/19:00 開演/21:00 終了予定)の方も、日程が迫っています。こちらの方も、是非よろしくお願いします。

 で、最後は、学生の活動、その他諸々の動画になります。
 丁度昨日、一緒に勉強会なんかをしている学生から、「noteに『吉田ロンド』の活動と共に、浜崎先生の記事を上げました」と伝えられ、それならついでに「早稲田の国策研」の活動と共に、両方の活動をここで紹介するのもアリなのではないかと思った次第です(笑)。
 聞くところによると、最近は、クライテリオンを共通の場(媒介)として、西の京大と東の早稲田が交流を深めているとのこと(部分的には日芸も入ってます…笑)。これから先の「日本」を造っていくのは、結局、次代を担う若い世代のほかにはありません(これは、若者嫌いとは矛盾しません・笑)。今後、彼等がどのような活動を展開するのかは全く分かりませんが(何の保証もありませんが)、以後、お見知りおきを頂ければ幸いです。
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mosakusha.com
the-criterion.jp
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 あとは、その他、いつもの動画集です(笑)。こちらの方も、お時間があればよろしくお願いします。
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 あと、いつも告知し忘れていますが(汗)、クライテリオンの方でも、色々と「雑談」の動画を出していますので、できれば、こちらの方もお見知りおき頂ければ幸いです。真面目な座談会動画なんかもありますが、アニメ『葬送のフリーレン』について語っている、文字通りの「軽い雑談動画」なんかもあります(笑) よろしくお願いします!
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