批評の手帖

浜崎洋介のブログです。ご連絡は、yosuke.khaki@gmail.comまで。

11月14日、ジュンク堂池袋本店にて開催される「富岡幸一郎『虚妄の「戦後」』(論創社)刊行記念!徹底トーク 「平和国家」という幻想を覆す!新たな「戦後」論!」というトークイベントに登壇します。


 またしても少々先のことになりますが、11月24日にジュンク堂池袋書店にて「富岡幸一郎『虚妄の「戦後」』(論創社)刊行記念!徹底トーク 「平和国家」という幻想を覆す!新たな「戦後」論!」というトークイベントを開催いたします。

 先日、論創社から『虚妄の「戦後」』を刊行された富岡幸一郎先生と、今年の5月に文藝春秋から『反戦後論』を刊行した私とで、世代を超えた「戦後論」を交わすことが出来ればと思っております。ハッキリ言って、戦後の文芸批評家で「保守」を語ること自体が相当に稀有なことだと言えますが、それ以上に、その「保守」の態度が「親米保守」でなかった場合、その希少さはより際立つことになります。「戦後」という時代は、「平和」という理想主義を「国民」のナショナル・アイデンティティと見做した「反米ナショナリズム」(革新左派)と、「親米」という現実主義を「国家」において語ってきた「親米保守」との間で全てが推移してきたと言っても過言ではありません。
 しかし、そのなかにあって、唯一明確に表に現れなかった態度が「反米保守」です。もちろん、私は単なる「反米」ではありませんが、しかし「親米」でないことは確かです。考えてみれば、冷戦構造が崩壊した1991年以降、次第に理想主義(空想主義?)としての「反米ナショナリズム」が凋落し、2008年のリーマンショックと2016年のブレグジットトランプ大統領の誕生(グローバリズムの終りの始まり)によって、この先間違いなく「親米保守」も凋落していくことになるでしょう。その一番分かり易い徴候が、この度の安倍晋三の「自民党」と、小池百合子の「希望の党」の間で繰り広げられている「希望」もクソもない泥仕合です。
 しかし、こんな時代だからこそ、現実政治とは距離のある文芸批評家の二人が、しかも世代を超えて語り合うことに意義があると思っています。もう少し先のことになりますが、お時間のある方は、是非ご参加ください! よろしくお願いします。
 以下は、論創社フェイスブック(https://www.facebook.com/events/695752920614745/?acontext=%7B%22ref%22%3A%2222%22%2C%22feed_story_type%22%3A%2222%22%2C%22action_history%22%3A%22null%22%7D&pnref=story)と、ジュンク堂のホームページ(https://honto.jp/store/news/detail_041000023350.html?shgcd=HB300)からの引用です。ご参照ください。

2017年11月14日(火)19:30〜/於・ジュンク堂池袋本店
富岡幸一郎『虚妄の「戦後」』(論創社)刊行記念!徹底トーク
「平和国家」という幻想を覆す!「戦後」論!!
富岡幸一郎×浜崎洋介
(文芸批評家、関東学院大学教授)(文芸批評家、日本大学講師)

弱冠19歳で群像新人賞で文芸評論家としてデビューした富岡幸一郎は、以来40年、三島由紀夫の影響から保守思想、さらに近代の問題からキリスト者としても活動している。「平和国家」といわれる日本、日本の戦後に問題意識を強く持ち、今般、西部邁が顧問をつとめる雑誌『表現者』に10年以上連載した論考をまとめ、『虚妄の「戦後」』(論創社)として世に問うた。また20歳下、ニュータウン世代の気鋭の批評家、浜崎洋介は戦争、象徴天皇三島由紀夫小林秀雄福田恆存中上健次、ロレンス、ピケティなどの思索を進め「政治と文学」という問題を捉えた。そして、『反戦後論』(文藝春秋)によって戦後思想に新たな問題を提起している。今回、この2人が「戦後」、「政治と文学」を徹底して語る。

富岡幸一郎(とみおかこういちろう)
1957(昭和32)年生まれ。文芸評論家。関東学院大学教授、鎌倉文学館館長。中央大学文学部仏文科卒業。第22回群像新人文学賞評論部門優秀作受賞。著書『戦後文学のアルケオロジー』(福武書店)『内村鑑三』(中公文庫) 『批評の現在』(構想社)『仮面の神学 三島由紀夫論』(構想社)『使徒的人間 カール・バルト』(講談社文芸文庫)『文芸評論集』(アーツ・アンド・クラフツ)『最後の思想 三島由紀夫吉本隆明』(同)『川端康成 魔界の文学』(岩波書店〈岩波現代全書〉)共編著・監修書多数

浜崎洋介(はまさきようすけ)
1978(昭和53)年生まれ。文芸批評家、日本大学非常勤講師。日本大学芸術学部卒業。東京工業大学大学院社会理工学研究科価値システム専攻博士課程修了。博士(学術)。著書『福田恆存 思想の〈かたち〉―イロニー・演戯・言葉』(新曜社)。共著に『アフター・モダニティ―近代日本の思想と批評』(北樹出版)。編著:福田恆存アンソロジー三部作『保守とは何か』『国家とは何か』『人間とは何か』(共に文春学藝ライブラリー)など。近著に今年5月刊行された『反戦後論』(文藝春秋

司会 志賀信夫(批評家・編集者)

★入場料はドリンク付きで1000円です。当日、会場の4F喫茶受付でお支払いくださいませ。
※事前のご予約が必要です。1階サービスコーナーもしくはお電話にてご予約承ります。
トークは特には整理券、ご予約のお控え等をお渡ししておりません。
※ご予約をキャンセルされる場合、ご連絡をお願い致します。(電話:03-5956-6111) 

■イベントに関するお問い合わせ、ご予約は下記へお願いいたします。
ジュンク堂書店池袋本店
TEL 03-5956-6111
東京都豊島区南池袋2-15-5

 ちなみに、西部ゼミナールの方も順調に放映されています。第12回「命を賭す決断促す正邪の観念をはっきりさせた陽明学明治維新」 (2017/09/23)と、第13回「明治維新と日本人―西洋近代との出会い」(2017/09/30)の方もよろしくお願いします。次回の放送は選挙の都合で延期らしいですが、シリーズ自体はまだまだ続きます!