批評の手帖

浜崎洋介のブログです。ご連絡は、yosuke.khaki@gmail.comまで。

『西部邁ゼミナール』に出演します。


http://www.mxtv.co.jp/nishibe/より

 先日、『西部邁ゼミナール』(TOKYO MXテレビ/9ch/毎週土曜日午前10:30-11:00/再放送13:00-13:30)の収録を終えてきました。
 以前は、テレビ関係の仕事は告知しなかったのですが、この度はゼミのS君の希望もあって告知することにしました。私自身は恥ずかしいので見ませんが、というか見てられませんが、皆さんに告知する以上はご覧になっていただければと思います。(と言いつつも、放送後に頂いたDVDは見ました。)
 西部先生をはじめ、小浜逸郎先生、先崎彰容氏、藤田貴也氏と共に「情報社会の高度化は現代青年の生活の質を高度化させるのか?」といった主題で四週にわたって議論します。ただ私自身は、いつもの「飲み屋談義」の延長線上でしゃべっているに過ぎないので、学生諸君には何ら新鮮味はないかも知れません。俗に言う「ウェブ進化論」的言説に毒づきながら「情報社会の高度化は現代青年の生活の質を高度化させる訳はない」と見得を切っています。
 といっても、このブログも「IT技術」の賜物であるということを踏まえて言えば、私はただ、技術(テクノロジー)とは折り合っていくものであり、それを道具として自覚的に扱えばよい程度の「常識」を言っているにすぎません。つまり、「技術」に多大な意味(=革新的意味)を見出してしまう言説への異和と共に、技術とは飽くまで使われるものではなく使うものであり、それが人間の本質・条件を変えるなどということはあり得ないということを言っているだけです。
 
 しかし、それにしても、佐藤俊樹『社会は情報化の夢を見る―ノイマンの夢・近代の欲望』(河出文庫)を引くまでもなく、「近代」は「技術による革新・進歩・進化」を言うことが本当に好きですね。そこまでして自らの時代の「新しさ」を言い募らないと、我が身の固有性が脅かされてしまうほど薄っぺらな経験=自信しか持ち合わせてはいないのではないかと疑ってしまいます。「IT革命」「高度情報化社会の到来」「次世代電脳アート」「動員の革命」「Twitter社会論」などという言葉をうんざりするほど聞かされてきた世代からすると、この手の「子供しか騙せない嘘」、あるいは「全く進歩しない進歩的言説」というやつには、ほとほと呆れ返るしかありません。
 以下に、『西部邁ゼミナール」のオン・エアー予定日を記しておきます。

西部邁ゼミナール (西部邁先生 小林麻子さん)
TOKYO MXテレビ/9ch/毎週土曜日午前10:30-11:00/再放送13:00-13:30)
「情報社会の高度化は現代青年の生活の質を高度化させるのか」
ゲスト―小浜逸郎氏 先崎彰容氏 浜崎洋介氏 藤田貴也氏
①〔情報社会の高度化は現代青年の生活の質を高度化させるのか〕―OA予定日2月15日(土)
http://www.mxtv.co.jp/nishibe/archive.php?show_date=20140215
②〔情報社会が現代青年の心理と行動にどんな影響を与えているか〕―OA予定日2月22日(土)
http://www.mxtv.co.jp/nishibe/archive.php?show_date=20140222
③〔情報社会で書物(古き情報媒体)はどうなってゆくのか〕―OA予定日3月1日(土)
http://www.mxtv.co.jp/nishibe/archive.php?show_date=20140301
④〔現代社会は高度情報社会によって解体に向かうのか〕―OA予定日3月15日(土)
http://www.mxtv.co.jp/nishibe/archive.php?show_date=20140315