批評の手帖

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「保守思想入門」第二回―序章「保守思想」とは何か~「伝統」と「実践知」について

imidas.jp
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 ようやく「保守思想入門」の第二回目をアップすることができました(念のため、第一回目も載せておきます)。
 序章の2回目は「『伝統』と『実践知』について」と題して、私たちの実践を支える「暗黙の力」としての「直観」「先入観」「伝統」を主題としています。第一回目よりはちょっと抽象的かもしれませんが、難しいことは一切書いていないつもりです(というより、原稿用紙20~25枚前後の「読み切り」連載では、難しいことを書くこと自体が難しいです・笑)。
 これで保守思想の「入り口」を示す序章は終わりたいと思っていますが、これからどうなることやら……。頭の中では、ぼんやりとした設計図はありますが、まさしく「保守思想」が教えるように、こればっかりはやってみなければ分かりません。そこが恐いところだし、一回一回が勝負になるところなんですが、ご興味があればお付き合いいただければ幸いです。

 日本で「保守」と言うと、まずは「靖国」とか「改憲」とか「皇室」とか「防衛」などといった実践的主題がイメージされるとは思いますが――そして実際、それらは物凄く重要な主題なのですが――、なぜそれらの主題が、私たちにとって「重要」かつ「論じるべき主題」になるのか、本稿では、それらの主題を導きだしてくる〝保守の構え〟を確認しながら(つまり、実践的主題の手前にある前提、その思想的根拠を確認しながら)、丁寧に論を運んでいきたいと思っています。たぶん、それくらいしいないと、この薄甘い日本的リベラリズムの空気(偽善と欺瞞)に覆われた戦後空間において「保守の知恵」を甦らせることは不可能でしょう。
 まぁ、この「幼稚な戦後」にどこまで付き合うのか、あるいいは、どこまで媚態を示すのかという問題はありますが、チャンスが与えられるのなら、全力で説得を試みるまでです。「思想」という回り道を介してですが、改めて「保守」を考える機会になればと思っています。一読いただければ幸いです。