批評の手帖

浜崎洋介のブログです。ご連絡は、yosuke.khaki@gmail.comまで。

養老孟司『AI支配でヒトは死ぬ。 ―システムから外れ、自分の身体で考える』(ビジネス社)が出版されました!

 ここのところ全く余裕がなく、ブログ更新が滞っていましたが、養老孟司先生へのインタビュー本『AI支配でヒトは死ぬ。 ―システムから外れ、自分の身体で考える』(ビジネス社)が出版されました!――書名の方は、本当は「自足のススメ」とでもしたかったんですが、出版社の意向で、こうなりました――。 インタビュー本とはいえ、去年から『クライテリオン』に連載していた「養老孟司、『常識』を語る」に増補して書籍化したものなので、実質的には対談レベルで喋っています(汗)。その点、「浜崎」が喋り過ぎだというお叱りは受けるとしても、連載時からご好評いただいていたように、養老先生の語りは読み応え抜群です。色々書きたいことはありますが、切りがなくなるので、やめておきます(笑)。
 世代を超え、領域を超えて、初対面の二人がどれほど対話できるのか、是非、是非、手に取ってご確認いただければと思います!

 それにしても「岸田文雄政権誕生」…100点満点とは言えないまでも、少しホッとしました。「河野政権誕生による加速主義で社会崩壊…そんな絶望状態で初めて気がつく真の絆」なんていうシナリオ(宮台式加速主義?)もないわけではないんですが(笑)、しかし、スピノザ的に言えば、人間という動物は、そんな風にはできていません。特に近代社会での社会崩壊は単に崩壊して終わりです――それは、このデフレとコロナで更に拍車がかかった日本人の記憶喪失ぶりを見れば明らかでしょう――。
 その点、まずは、四半世紀かかって、ようやく「改革」を売りにしない政権が誕生したことは素直に喜びたいと思います。ただし、第二次安倍政権の際もそうでしたが、ここからが正念場です。気を引き締めて、何をどうしていくのか、よく見極めていきたいと思います。