批評の手帖

浜崎洋介のブログです。ご連絡は、yosuke.khaki@gmail.comまで。

『表現者クライテリオン―抗中論・超大国へのレジスタンス』(最新刊)のお知らせと、訂正とお詫び

表現者クライテリオン 2021年3月号

表現者クライテリオン 2021年3月号

  • 発売日: 2021/02/16
  • メディア: 雑誌
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 『表現者クライテリオン』の最新刊(3月号)が刊行されます。今回の特集は第一に「抗中論・超大国へのレジスタンス」で、第二に「コロナが導く社会崩壊」ということでダブル特集になっています。ということは、座談もダブルで、私自身「『中国の夢』という驚異」と「『国民の幸福』の最大化をめざせー″自粛か経済か”の不毛」という二つの座談会に出ているんですが、まず最初に「お詫びと訂正」を申し上げておかなくてはなりません。第二特集の座談会の浜崎発言を補足した括弧内の記述で(93頁上段1行目)、一部初歩的な間違いをやってしまっています。
 死亡者数÷感染者数×100で「致死率」を導くところを、肝心の「×100」を忘れてしまうというポカをやっており、その結果、コロナの致死率を括弧内で(0.01%)と記してしまっています。正確には「1%」、より正しくは「1.4%」です。そんなに低いはずはないと、ずっと引っかかっていたんですが、ポカに気づいたときには既にゲラは校了しており(締め切りギリギリだったので、校閲も間に合わず…)、ここで訂正とお詫びを申し上げなくてはならなくなってしまったという次第です。補足的に入れた数字なので論旨に影響はないとはいえ、この度の私の不注意、誠に申し訳ありませんでした(そのおかげで、その後に書いた毎日ナビゲートの数字は正確なものにできましたが…)。
 ただし、それ(浜崎の不注意)以外の点では、100%自信をもってお届けできる出来になっています! 内容について一々書いていると長くなるのでやめますが、手にとっていただければ幸いです。詳細は、藤井聡編集長の動画、及び以下の目次をご覧ください。

巻頭言
 コロナ禍の中で、日米欧の没落が激しく加速している中、「一人勝ち」の中国の存在感は一気に拡大し、
2028年にはGDPアメリカを追い抜くという観測も出始めた。このままなら香港のみならず早晩、
台湾・尖閣を飲み込みかねない勢いだ。
 事ここに至れば、我が国は冊封体制から抜け出すことに成功した古代日本と同じく、これまでのような
侮蔑の念を軸とした単なる嫌中的態度を打ち捨て、虚心坦懐この状況を見て取り、中国の強大さを過不足
なく認識した上で「中国に抗う」姿勢を鮮明に打ち出す他ない。それができねば我が国日本は米国から
のみならず中国からも独立を勝ち取ることはできなくなる。すなわち我が国は今、アメリカのみなず
中国もまたもう一つの我が国と隣接した「超大国」であると見定め、侮ることなく、まして媚びへつらい
付き従うことない「レジスタンス」の姿勢を保ち続ける覚悟を持たねばならないのである。
                              表現者クライテリオン編集長 藤井 聡

【特集1】抗中論 超大国へのレジスタンス
(座談会)「中国の夢」という脅威/福島香織×藤井聡×柴山桂太×浜崎洋介×川端祐一郎
・(対談)東アジアの中国と日本(前半)中国を知らない日本人/岡本隆司×藤井聡
・まずは尖閣を死守せよ――“縮小の時代”にふさわしい日本外交とは?/近藤大介
・世界の豚肉の半分を食べる国――生産の半分が失わせて見えた食料事情/岩田寛史
・中国はなぜ情報通信ネットワークの掌握を狙うのか/小原凡司
・ディスインフォメーション・キャンペーンを仕掛ける中国――日本への影響をどう抑え込むか/桒原響子
・親中の何が悪い――理念なき国家の“敗北”/小幡敏

【特集2】コロナが導く社会崩壊
(座談会)「国民の幸福」の最大化をめざせ――“自粛か経済か”の不毛/藤井聡×柴山桂太×浜崎洋介×川端祐一郎
非正規労働者を見捨てるな!――1000件のSOSが訴えるこの国の窮状/雨宮処凛
・コロナを過大視する日本人の心理の背景とその悪影響/和田秀樹
・“自粛強要”で経済を壊すな――緊急事態に陥る“社会の底辺”/鈴木傾城
・コロナ禍中の感情過多と過剰倫理/川端祐一郎

【連載対談】
・大変動期を語る(前編)資本主義の地殻変動/鎌田浩毅×柴山桂太
・永田町、その「政」の思想(第2回)「亡国」を巡る思想と実践/佐藤 優×藤井 聡

【新連載】欧米保守思想に関するエッセイ
第1回 ソルジェニツィン Part1/伊藤寛

【連載】
財政制度等審議会の理解力/大石久和(「危機感のない日本」の危機)
種苗法改正の何か問題なのか?――農家の視点から考える/松平尚也(農は国の本なり)
・なぜ中国はコロナ対策に「成功」したのか/松林 薫(逆張りのメディア論)
・宗教原理主義の預言書『邪宗門』/富岡幸一郎(虚構と言語 戦後日本文学のアルケオロジー
・妄りな非本質主義 ミシェル・フーコー/平坂純一(保守のためのポストモダン講座)
・移動の自由がもたらす「リベラル・ディストピア」――「移動せずともよい社会」を目指して(三)コスモポリタニズム批判㊄/白川俊介(ナショナリズム再考)
・江戸のハードインフラを守る文化というソフト――日本堤と隅田堤の物語/竹村公太郎(地形がつくる日本の歴史)
・編集長クライテリア日記/藤井聡
・メディア出演瓦版/平坂純一

【寄稿】
ダウントン・アビー》にみるサムウェア族的価値観とブレグジット佐藤慶

【書評】
『私の人間論 福田恆存 覚書』福田恆存 著/薄井大澄
感染症と民衆 明治日本のコレラ体験』奥武則 著/篠崎奏平
『想像力「最高に高揚した気分にある理性」の思想史』メアリー・ウォーノック 著/酒井佑陶

【その他】
・バイデン大統領誕生に際して――問われる戦後の「JAP.COM」/ 社会崩壊の兆し――「自殺」というもう一つの感染症(鳥兜)
・脱炭素より脱貧困を / コロナ騒動と「常識」の死滅(保守放談)
・読者からの手紙