批評の手帖

浜崎洋介のブログです。ご連絡は、yosuke.khaki@gmail.comまで。

『表現者クライテリオン』最新号(2022年11月号)と、その他諸々

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 遅ればせながら『表現者クライテリオン』の最新号(2022年11月号)の告知です!
 今回の特集は「第三次世界大戦と戦後新秩序――台湾・ウクライナ情勢の中長期展望」です。要するに、ロシアーウクライナ戦争(ロシアVS西側諸国の代理戦争)や、台湾をめぐる中国の膨張主義(これも必然的に、中国VS西側諸国の代理戦争となる)を眼の前にして、今、何を考えるべきなのかという特集になっています。
 今のところは「代理戦争」で済んでいますが、それがいつ〈本格的な戦争=第三次世界大戦〉になるのかは誰にも分かりません。が、今回のクライテリオンの特集は、その〈戦後=結果〉までも考えようというもの。もちろん、未来は見透せません。しかし、分からないがゆえにこそ、その時になって慌てふためかないためにも、思考実験は色々とやっておいてもいいだろうと(もちろん、その思考実験において、最も「滅び(圧倒的混乱)」の可能性が高いのは、ロシア&中国&欧米の狭間に生きながら何のリアリティも、覚悟もない日本人です。が、それも全て、軍事と政治に対して、戦後日本人が「不真面目」に生きて来たことの結果なんでしょう。神様(歴史)は嘘をつきません……溜息)。
 とはいえ、つい先日、第5回アパ日本再興大賞を受賞したばかりの小幡敏氏の新連載「戦争を知らないオトナたち/第一回・民族の教科書」や、新企画「映画で語る保守思想—①『ランボー』に見る、怒りと復讐の倫理(前編)」などの新しい試みも始まりました(小幡さん、おめでとうございます!)。その点は、明るいニュースになっています(笑)。是非、手に取って頂ければと思います!
 私個人の仕事は、以下の「目次」で確かめていただければ幸いです(主に座談なんかで所々、出ています・笑)。
 あと、最後になりましたが、小立廉氏による『ぼんやりとした不安の近代日本—大東亜戦争の本当の理由』(ビジネス社)の書評も出ています。これは身内褒めという訳ではなく、また自分の本の評価とも関係なく(汗)、本当に素晴らしい文章です。こちらの方も、是非、よろしくお願いいたします!

【特集】第三次世界大戦と戦後新秩序――台湾・ウクライナ情勢の中長期展望

[特集座談会]
・中国の内在論理を歴史から問い直す 中国史研究者・岡本隆司氏に聞く/岡本隆司×藤井 聡×柴山桂太×浜崎洋介×川端祐一郎

[特集論考]
・長期化する米中露覇権闘争と日本の最期/伊藤貫
・江戸の地政学に学べ 世界の多極化を見据えて/大場一央
・ウロ事変は世界最終戦の序曲か? 石原莞爾の所論を手掛かりに/金子宗德
・危機の時代の国土論 石川栄耀のみた第二次世界大戦/川端祐一郎
・「国造りの自由」を求めて 新自由主義以後の国際構想/岩木雅宏

[特別座談会]
・「自己喪失」の時代に向き合うために 浜崎洋介著『ぼんやりとした不安の近代日本』を巡って/藤井 聡×柴山桂太×浜崎洋介×川端祐一郎

[連載]
・<新連載>戦争を知らないオトナたち 第一回 民族の教科書/小幡 敏
・<新連載>映画で語る保守思想 第1回 『ランボー』に見る、怒りと復讐の倫理(前編)/藤井 聡×柴山桂太×浜崎洋介×川端祐一郎
・「危機感のない日本」の危機 民主と独裁 「空気」が政治をする国/大石久和
・「農」を語る 第1回「農」は日本の心/堤 未果×藤井 聡
・虚構と言語 戦後日本文学のアルケオロジー 第二十三回 マルクスの亡霊たち 霊的な力と弁証法④/富岡幸一郎
経営学で読む文学 第③回 フランツ・カフカ流刑地にて』 人と制度が変わる「痛み」/岩尾俊兵
逆張りのメディア論27 新聞は戦争で蘇る/松林 薫
ナショナリズム再考 第18回「正義」・「忠誠」・「共同体」 ロイスからローティへ 愛着と忠誠の政治哲学序説/白川俊介
・葬られた国民作家 獅子文六 第二回 父がいなければ、父になればいい/平坂純一
・やわらか日本文化論 日本人の頭のなかの鏡 「反省」の大切さ/施 光恒
・東京ブレンバスター② 「今更」の統一教会但馬オサム
・メディア出演瓦版/平坂純一
・編集長クライテリア日記 令和四年八月~九月/藤井 聡

[寄稿]
・配慮の先に配慮はあるか 激化する学校批判への懸念/髙江啓祐

[書評]
・『ぼんやりとした不安の近代日本 大東亜戦争の本当の理由』浜崎洋介 著/小立 廉
・『政治的なものの概念』カール・シュミット 著/前田龍之祐
・『ガリツィアのユダヤ人【新装版】 ポーランド人とウクライナ人のはざまで』野村真理 著/岡村元太郎
・『検証 政治改革 なぜ劣化を招いたのか』川上高志 著/早瀬善彦
・『大村益次郎 全国を以て一大刀と為す』竹本知行 著/久野 潤
・『遠野物語柳田國男 日本人のルーツをさぐる』新谷尚紀 著/篠崎奏平
・『「地方」と「努力」の現代史 アイドルホースと戦後日本』石岡 学 著/橋本 悠

[その他]
・「国民国家」の気概を問う――第三次世界大戦の「構図」を巡って/いったい何と戦っているのか?――揚げ足取りにかまけるな(鳥兜)
・英国に見る国家儀礼の力/「国葬」騒動の顛末に思う――岸田文雄首相の無能さ(保守放談)
・読者からの手紙

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 あと、これは学生から聞いて知ったんですが、人気YouTubeチャンネルに「サムの本解説ch」というのがあるらしく、そこで、私の『ぼんやりとした不安の近代日本—大東亜戦争の本当の理由』(ビジネス社)が取り上げられているようです。私自身、確認してみたんですが、驚く程によく纏まってます(笑)。どなたかは存じ上げませんが、ご紹介、ありがとうございました!
 あと、いつもの「紀尾井町床屋政談」(與那覇潤氏×浜崎)です。「なぜ日本人は“自信がない”のか?——浜崎洋介と與那覇潤が現代の“不安”を生む〈承認欲求〉と〈自己責任論〉を撃つ」との題が付いています。こちらの方も、ご興味があれば是非!