- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2016/01/06
- メディア: 雑誌
- この商品を含むブログ (6件) を見る
ちなみに、今回の対談のために、箱根の旅館・福住楼に一泊二日で泊まり込んで、これまでの批評、そして、これからの批評、また小林秀雄や福田恆存の批評について大澤さんととことん語り合いました(総計14時間)。もちろん、紙面から落ちた話題(資本制について、現代思想について、あるいは政治の現状についてなど)も多いのですが、それでも近年稀に見る「本気」の対談になっていると思います。その意味でも、この度の対談は、これまで自分がやってきたものの中でもベストなものの一つだと思っています。それは、ほとんど同じ風景を見て育った同世代の文芸批評家である大澤さんが対談相手だったということ、そして、それをプロデュース+構成してくれたのが若い心意気のある編集者の吉田さんだったということが大きく影響していると思います。もちろん、だからといって馴れ合ってなどいないし、むしろ、大澤さんと私の違いもハッキリと出ています。が、それも決して、不快な比較(どちらが正しいか)を誘う類の話ではありません。いや、だからこそ安易に頷き合うのでもなく、ケンカ腰のパフォーマンスに終わるでもない、語の正しい意味での「対話」ができたと思っています。
少しでも多くの読者に、二人の言葉が届くことを祈っています。
以下は、『すばる』2月号の内容です。
内容紹介
〔小説〕
椎名誠「ドバドバソース」
戌井昭人「ゼンマイ」
鈴木善徳「たらちね」〔掌編〕
瀬戸内寂聴「島へ」〔特集〕
「継承される批評2016」
(インタビュー)柄谷行人「批評にできること」
(対談)大澤信亮+浜崎洋介「生きることの批評」
(評論)安藤礼二「批評とは何か」
佐々木敦「アートートロジー」
トミヤマユキコ「文学とマンガのあわいにあるもの
――川上未映子と大島弓子を読む」
野崎歓「魚を尊ぶひとの芸術――井伏鱒二小論」
(再録)甘粕正彦「樋口一葉の日記」(解説「ファシストと文学」/西田勝)
(ブックガイド)杉田俊介+藤田直哉+矢野利裕「近代日本の文芸批評を知るための40冊」〔対談〕
西村賢太+玉袋筋太郎「〝師匠〟を語る」
いしいしんじ+都甲幸治「『よはひ』を旅する」〔インタビュー〕
ネメシュ・ラースロー