批評の手帖

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座談会「文芸評論の現状—危機と打開」(『文芸思潮』)と、産経新聞での紹介

 『文芸思潮』誌上でなされた座談会「文芸評論の現状—危機と打開」に出てきました。司会は、井口時男先生、座談会メンバーは若手四人の文芸評論家——杉田俊介氏、藤田直哉氏、川口好美氏と私です。
 井口先生は、私の大学院時代の指導教官で、杉田さんとは「すばるクリティーク賞」の審査員を一緒にやった仲。それで、藤田さんは私の東工大時代の後輩(SF評論家)で、川口さんだけお会いしたことがなかったんですが、シモーヌ・ヴェイユ論で群像評論新人賞を受賞したという方です。
 というわけで、この若手(?)4人で、けっこう辛辣に「文芸評論の現状」について語り合っています(笑)。しかし、改めて読んでみて、やっぱり「文芸評論」の復活はないんだろうと感じました……。「じゃ、なんでお前は文芸批評家などと名乗っているのか?」という疑問もあろうかと思いますが、その答えは二つあります。
 一つは、私の言葉と思考の根が「文芸批評」にあるということ、その「歴史」をクレジットしておくべきだということがあります。
 もう一つは、以上の事とも関係しますが、おそらく「文芸批評」——小林秀雄坂口安吾保田與重郎福田恆存吉本隆明江藤淳、秋山駿、柄谷行人(あと、少しだけ、福田和也坪内祐三加藤典洋なんかも?)の言葉——によって自己形成を果たした最後の世代として、《文芸批評という営み=歴史》の「骨拾い」をしておきたいという思いがあります。
 今では、信じられないかもしれませんが、「文芸批評」が社会を作った時代があり、私自身、そんな時代の最後を生きた人間として、その「供養」も込みで、文芸批評の可能性も不可能性も全部引き受けて、これからも仕事をしていきたいと思っています。ということで、ご興味がある方は是非。


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 あと、飲み友達でもある産経新聞の文化部・磨井慎吾氏による「山本七平賞・奨励賞」の紹介文です。磨井さん、的確なご紹介、ありがとうございました!