- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2014/10/07
- メディア: 雑誌
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- 作者: 山城むつみ
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2014/07/31
- メディア: 単行本
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しかし、この度改めて山城氏の新刊『小林秀雄とその戦争の時』を読みかつ書評してみて、やはり現在、現役の批評家の中で指折りの存在であることを確信しました。ただ、もちろん福田恆存の言葉を介して山城氏の言葉を読んだとき、留保する部分がないわけではない(特に、「政治と文学」の認識について)。しかし、短い書評でそれを論じ切ることはできません。というわけで、この度の書評では、できるだけ山城氏が描いた小林秀雄の「可能性の中心」を忠実になぞることに力を注ぎました。
留保があろうがなかろうが、今、読まれるべき本であることに変わりはありません。少なくとも「文学」への認識と読解において、現在、山城氏のレベルで物を書ける人間は、私も含めてほとんどいないと断言してもいいでしょう。
いずれにしろ、私に、山城むつみ氏を論じるチャンスを与えてくれた『群像』編集部には感謝です。読んで頂ければ幸いです。