- 作者:
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2020/01/06
- メディア: 雑誌
2020年最初の仕事である「すばるクリティーク賞・選考座談会」を載せた『すばる』最新号(2020年2月号)が昨日発売になりました。残念ながら、今年は受賞作が出ませんでしたが、その理由も含め、選考会でのやり取りを載せています。一読していただければ幸いです。
賞を企画している以上、こちらとしても、できるだけ受賞作は出したいのですが、こればかりは仕方がありません。昨年は『群像』新人賞の評論部門でも受賞作が出なかったとのことですが、もしかすると「ポスト・トゥルース」が加速していく時代(=慢心しきったお坊ちゃんの知的自己閉塞が加速する時代―byオルテガ)のなかで、「他者」と向き合う「批評」という営み自体が厳しい冬の時代を迎えているのかもしれません。が、なんとか「人をほめる特殊の技術」(小林秀雄)としての「批評」という営みを守っていきたいと考えています。今年の応募作に期待したいと思います。
それにしても、東京五輪後の関連需要の剥落や、米中貿易戦争による外需の冷え込み、消費増税による内需破壊、米軍によるイラン革命防衛隊ソレイマ二司令官殺害など…嫌な予感しかしない2020年ですが(苦笑)、何とか「正気」を保っていきたいと思います。今年も、何卒よろしくお願いいたします。