批評の手帖

浜崎洋介のブログです。ご連絡は、yosuke.khaki@gmail.comまで。

10月18日(土曜日)に、池袋ジュンク堂本店でトークイベントを行います!

      
  http://www.hokuju.jp/books/view.cgi?cmd=dp&num=923&Tfile=Data

 少々早めの告知ですが、来る10月18日(土曜日)17:30〜、「叢書・新文明学」の第2弾、『アフター・モダニティ―近代日本の思想と批評』(先崎彰容氏との共著、北樹出版/9月30日刊行予定)の出版記念としてトークイベントを行います。題は「グローバル時代に小林秀雄を読む」。場所は池袋ジュンク堂本店。対談のお相手は、鋭く原理的なグローバリズム批判で知られる経済学者の柴山桂太氏(滋賀大学経済学部社会システム学科准教授)です。
 以前、新宿の居酒屋で朝までご一緒した際、誠実な柴山さんとなら、公の場所でも充実した時間が過ごせるだろうと思っていたのですが、まさか、その思いがこんなに早く叶うとは・・・・というのが正直なところです。畑違いの私との対談を快く引き受けてくださった柴山さんに感謝です。足を運んでいただければ幸いです。

 ちなみに、『アフター・モダニティ』の浜崎担当部分(後半)では、明治―大正の文学史の流れを簡単に押さえた上で、第一次世界大戦後の〈ヨーロッパ=近代〉の閉塞を横目で確かめつつ、関東大震災後に叢生してくる新感覚派プロレタリア文学の地平において昭和初年代の問題を整理し、その果てに小林秀雄の「文芸批評」が誕生してくるまでの必然を描き出しています。
 などと書くと何だか文学史の教科書のようにも聞こえますが、私は単なる「教科書」を書いたつもりはありません。本書は、昭和における「世界的同時性(グローバリズム)」(平野謙)において、次第に煮詰まってくる「近代」の問題を見据えながら、小林秀雄の「批評」において初めて自覚されるに至った私たち日本人の条件、つまり、〈近代=日本〉という場所を生きる私たちの「実存」の問題を描き出すことを試みています。本書の視座から言えば、昭和初年代と現在とで〈近代=日本〉の問題は何一つ変わってはいません。だからこそ、私たちは「歴史」に問い尋ねる必要があります。「今」に踊らされる前に、まず足元を見つめる必要があるのです。
 しかし、その試みが成功しているか否かは、読者の皆さんの判断に委ねるしかありません。こう言うと都合がいいですが、それを確かめるためにも、是非一読、よろしくお願いいたします! 

 予約などを含めて、トークセッションの詳細については、ジュンク堂のHP(http://www.junkudo.co.jp/mj/store/event_detail.php?fair_id=6885)をご参照下さい。よろしくお願いします。