批評の手帖

浜崎洋介のブログです。ご連絡は、yosuke.khaki@gmail.comまで。

ウクライナ戦争論——「切り抜き動画」2本!

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 YouTubeを開いたら、この二本の動画が出て来たんですが、これはおそらく別企画で話したものの「切り抜き動画」なんでしょう(文春側からの報せがないので、こっちは何も知りませんw) ということで、一応ここに紹介しています。
 しかし、そもそも国際政治において「正義を語る言葉」など単に「空想的な戯言」か、一方に都合がいいだけの「キレイゴト」くらいにしか思っていない私にとって、「実際の正義」とは、各国の歴史と文化と欲望とを踏まえた上で、力のバランスをとることでしかありません。
 で、今回のロシア—ウクライナ戦争についてですが、その「均衡」を崩したのは誰かと言えば、ミアシャイマーやトッド、あるいは伊藤貫氏に言わせるまでもなく、どう見てもアメリカとNATOの側でしょう。ロシアの武力侵攻が良いか悪いかを論じる前に、その流れについての言葉がないのが気に喰わないだけです(というか、あの歴史的な文脈を強いられながら、もし自分がロシア人=プーチンなら、武力侵攻するかも…というリアリティの方が大きいということです)。
 ちなみに言えば、私が「戦前の日本」について批判的なところがあるとすれば、その「均衡」を崩してしまったのが日本人の側であるように見えるからです(特に、第一次世界大戦以後)。事変を満州事変で終わらせることはできなかったのか、あるいは、日中戦争の拡大を抑えることはできなかったのか…。もちろん、今更言っても仕方がないことばかりですが、その結果として大東亜戦争の敗戦と現在の「戦後」があることを考えると、その「均衡」への緊張を失った日本人に対する悔しさは残ります。
 でも、こういうことを言うと、左からは「お前は戦争を肯定するのか!」と言われ、右からは「お前は自虐史観の持ち主か!」と言われるのがオチです(笑)。要するに、日本人はどこかに「絶対善」(平和と民主主義)が存在していると思い込んでいる中学生か、どこかに「絶対悪」(GHQユダヤ人、国際金融資本)が存在していると考えている中学生かということなのかもしれませんが、しかし、そうである限り「大人」への道は遠いと言わなければなりません。
 
 ……と、思わず長々と書いてしまいましたが(笑)、ご興味があれば是非。