本書は、しかし小林の「作品」を個別に言及するのではなく、その「生き方、歩き方、あるいは考え方」をトータルに分かりやすく論じることで、その「人生」の姿を描いている。
そこに浮かび上がってくるのは、西洋的な教養や技術の圧倒的な影響を蒙(こうむ)りながら、この島国の歴史と自然のなかで暮らしてきた民族の生活感覚、つまりは日本人の直観と無意識につながる人生論だ。
良く書けた本なのかどうなのか……こういうことは書いた本人が一番分からないものなんですが、富岡先生の言葉で少しは自信をもってもいいんだと思えました。富岡先生、ありがとうございます!――今、出版記念イベントなども企画していますが(できればいいんですが…)、引き続き『小林秀雄の「人生」論』、よろしくお願いいたします!