批評の手帖

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『表現者クライテリオン』2019年1月号が刊行されました!

表現者クライテリオン 2019年1月号[雑誌]

表現者クライテリオン 2019年1月号[雑誌]

 昨日、『表現者クライテリオン』の新刊号(2019年1月)が届きました。
 今回の特集は二つです。特集➀は「『思想』とての防災」、特集②は「沖縄で考えるニッポン」です。
 ➀の特集では「平成天譴論―『サイガイ』を『サイワイ』にする力」と題して特集座談会を中心として様々な方に御寄稿をお願いし、②の特集では、沖縄シンポジウムの報告や、藤原さん他の寄稿原稿、そして「対米従属文学論―沖縄特別編:『宿命』の島で考える文学」(扱った作品は大城立裕『カクテル・パーティー』と、目取真俊『平和通りと名付けられた街を歩いて』です)を含めて、今、改めて沖縄を論じることの意味を考えています。
 毎度のことですが、この度も全力投球です。その他、各種連載、寄稿、書評なども充実しています。ちなみに「近代/日本を繋ぐもの:第五回―小林秀雄と『批評』の誕生➀」の方も、ようやく「小林秀雄」に入りました(笑)。 何卒よろしくお願い致します!

 以下、参考のために目次を記しておきます。一人でも多くの方に手に取って頂ければ幸いです。

目次
〔特集1〕「思想」としての防災
•平成天譴論――「サイガイ」を「サイワイ」にする力/富岡幸一郎・編集部(座談会)
•思想としての防災/大石久和
•時が場所をつくる条件(2)/松原隆一郎
•農業とナショナリズム三橋貴明
•防災と確率 思想としての防災/加藤尚武
•国家の安全保障と強靭化の戦略――求められる変化への対応/志方俊之
•転ばぬ先の杖/村上陽一郎
•「天災」という思想/富岡幸一郎
•防災と実存――新自由主義を超えて/中島岳志
•災害対策とリベラリズムの欠陥――時間や場所の感覚を取り戻すことは可能か/施光恒
•防災の思想――「防災」とは「活き活きと生き続けること」である/藤井聡
•防災しないという思想/佐藤健志

〔特集2〕沖縄で考えるニッポン――歴史・アメリカ・未来
•沖縄で考える保守思想――沖縄シンポジウムを振り返る/藤原昌樹
•沖縄で考えるニッポン――沖縄・与那国滞在レポート/編集部
•過剰な「政治化」が招いた分断――普天間辺野古問題の四半世紀/宮城大蔵
普天間辺野古問題と安倍政権――沖縄が問う日本の民主主義/前泊博盛
•対米従属文学論(沖縄特別篇)第4回「宿命」の島で考える文学/編集部

〔連載〕
•リアリスト外交の賢人たち――タレーランウィーン会議/伊藤貫
•保守とネオリベラルの分かれ目/柴山桂太
•歴史家の営為としての二つの「暮らし方」/佐藤一進
小林秀雄と「批評」の誕生①/浜崎洋介
•人間の「グループ化本能」との向き合い方/川端祐一郎
•北海道の虛像と実像3――疎外された「郷土愛」/古川雄嗣
•「中立公平な報道」はナンセンスか/松林薫
•流域共同体の水防と発展の原点――武田信玄/竹村公太郎
•植物がとりもつ平等な関係──園芸文化と日本人4/施光恒
•緊縮財政こそ財政赤字拡大の元凶である/島倉原
安倍内閣の今後の課題/佐藤健志
•ナポレオン帝政――流血と倦怠、単細胞の鬱屈者/平坂純一
•セントラル・パークの回転木馬にて――J・D・サリンジャーライ麦畑でつかまえて』/鈴木ふさ子
•危機と対峙する放送室――週刊ラジオ表現者(平成三〇年八〜十月)
•メディア出演瓦版
•編集長クライテリア日記/藤井聡
•不確実性の時代には「生き方の戦略」を古典から学べ/野中郁次郎

〔寄稿〕
•日本に軍隊は存在し得るか/磯邊精僊
•「自然保護」を巡る保守的考察(2)――今、求められる「生態系純潔主義」からの転換/辻和希
•土木差別の民俗学3――呪術編/中尾聡史

〔書評〕
宮本常一著『宮本常一著作集第2巻 日本の中央と地方』/中尾聡史
•J・アーリ著『オフショア化する世界――人・モノ・金が逃げ込む「闇の空間」とは何か?』/宮本崇司
•S・レビツキー & D・ジブラット著『民主主義の死に方――二極化する政治が招く独裁への道』/折田唯
田中英道著『日本人を肯定する――近代保守の死』/佐藤慶
•B・ハリントン著『ウェルス・マネジャー:富裕層の金庫番――世界トップ1%の資産防衛』/水川尭

〔その他〕
•「移民法案」可決で、ルビコン川を渡った日本(鳥兜)
•一分の理もない水道民営化(鳥兜)
•会社はCEOの私物ではない(保守放談)
•「移民政策」という蛮行――誰がその「ウソ」をついたのか(保守放談)
•「万博と五輪」による目先の成長がもたらす、深刻な経済被害(保守放談)
•自己責任論をめぐる正義と道徳の仕分け(保守放談)