批評の手帖

浜崎洋介のブログです。ご連絡は、yosuke.khaki@gmail.comまで。

「ナビゲート2020」(毎日新聞)に「止まらない政治の『嘘』」を寄稿しました!

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 今年一発目の「ナビゲート2020」(毎日新聞)は、「止まらない政治の『嘘』」です。
 安倍政権における昨年11月から今年1月までの月例経済報告は、ずっと「景気は緩やかに回復している」ですが、それが「真っ赤な嘘」であること、しかも、それが消費増税による景気後退を隠すための「破廉恥な嘘」であることを指摘したコラムになっています。「桜を見る会」もそうですが、政治において、これほどまでに「嘘」が許され始めているということは、つまり、政治において「現実」を見なくていいという「ナルシスティックな虚構」が全面化しはじめていることを意味しています。が、それは回りまわって、結局は最悪の「現実」をもたらすことになるだけでしょう。
 しかし、考えてみれば、戦後75年近く、自衛隊の現実を前に「それは軍ではない」と嘘をつき、対米従属の現実を前に「それは日米同盟だ」と嘘をついてきたの日本人が、冷戦後の20年を経て、民主党政権と安倍政権という憲政史上最悪の「嘘つき政権」に辿り着いたのも歴史の必然だというべきなのかもしれません。この国では、左/右ともに「臭いものにフタをすることこそが現実主義」だと恥知らずにも思い込んでいるわけですが、「フタ」はあくまでも「フタ」でしかありません。その〈フタ=嘘〉に開き直る限り、いつか必ず私たちは、その〈臭いもの=事実〉から復讐されることになるでしょう(この20年間、先進国で唯一成長できていない日本の現実を見れば、その復讐はすでに始まっていると言うべきかもしれませんが…)。それが「自然」というものです。
 
 ちなみに、その〈フタ=嘘〉に開き直った一つの「症例」として、片山さつき議員の発言を分析したメルマガ「『悪』と『嘘』との心理学――片山さつき氏の発言をめぐって」も紹介しておきます。新年会続きの寝てない頭で書いこともあって、少し分かりにくい部分もあるかもしれませんが(もっとスマートに書くべきでした……汗)、一読していただければ幸いです。