批評の手帖

浜崎洋介のブログです。ご連絡は、yosuke.khaki@gmail.comまで。

危機と対峙する保守思想誌―『表現者criterion』創刊!

 いよいよ、『表現者Criterion』が始動しました。
 この度は、座談会「保守とクライテリオン―ラディカルな実践を目指す保守思想」に参加し、特集原稿「現代人は愛しうるか―福田恆存のクライテリオン」と、連載原稿「近代/日本を繋ぐもの―日本近代批評史試論・序」を書いています。その他にも書いたものは色々と細かくあるのですが、それはともかく、是非手に取って頂ければ幸いです。
 特集原稿の福田恆存論の方は、福田恆存に対して一度ケジメをつけておきたいという気持で書きました(福田恆存という固有名は、私にとって特別なもので―ほとんど恩人です―、これからも折に触れて考え続けていきたいと思っていますが、しかし、積極的なものとしては、これで一度区切りをつけたいと思っています)。今回は創刊号ということもあって、自分の「原点」を確かめるようなものを書いておきたかったということです。
 それに対して、連載原稿「近代/日本を繋ぐもの」の方は、私の新しい問題意識の展開としてあります。「内的なもの」と「外的なもの」とを繋ぐ回路をめぐる思考が展開されています。一読していただければ幸いです。

 これから、『表現者Criterion』を中心に、ウェブ、メルマガ、ラジオ、シンポジウム…と多面的な運動を展開するなかで、この近代的ニヒリズムからの「自立」の可能性を、また、それが拠って立つ私たちの「クライテオリオン」(規準)の手触りを探究していきたいと思っています。「クライテリオン」が「実体」ではない限り、これからの試行錯誤の真剣さこそがこの雑誌の命だと思っています。何卒、よろしくお願い致します。