批評の手帖

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「落語の笑い―春風亭一之輔試論」を寄稿した『すばる』(9月号)が明日発売です!

すばる 2016年9月号[雑誌]

すばる 2016年9月号[雑誌]

 今朝、「落語の笑い―春風亭一之輔試論」を寄稿した『すばる』(9月号)が自宅に届きました。この度の『すばる』の特集は「落語がこんなに面白いとは」と題した落語特集です。もちろん、雑誌での落語特集は珍しくないのかもしれませんが、しかし、そこは文芸誌。単なる紹介記事にとどまらず、落語の魅力を深く掘り下げています。
 もちろん、〝堀りすぎ″は「野暮」になってしまいますし、またそれ以上に、一之輔の落語の在り方自体を裏切ってしまいますから、私自身、新たな工夫が必要でした。これまで〝筆に力を入れる″ことは何度かしてきましたが、この度は、長文の批評文で、初めて意識的に〝筆の力を抜く″という、私にとっては何とも難しい課題に取り組んでいます。肩に力の入った「小説の運命」やシェイクスピア論の次が、図らずも、肩の力を抜いた落語論だったというのも、何か〝巡り合わせ″の妙を感じますが、批評でありながらエッセイ、エッセイでありながら批評というような手応えを目ざしています。が、それが成功しているかどうかは読者の皆さんに判断していただくほかありません。一読していただければ幸いです。

 ちなみに、私自身、落語との付き合いはもう10年以上になりますが、しかし、単に趣味としてしか聴いてこなかった落語について、いつか自分が本格的に論じることになろうとは夢にも思っていませんでした。一之輔という落語家を教示してくれただけでなく、その後の私の反応を見ながら、「是非、一之輔論を」と言ってくれた吉田さんの存在なくして、この度の落語論は間違いなく書かれていません。私の場合、全ては巡り合わせです……その辺り、一之輔の「あなた任せ」の性格と似てるような気がしますが(笑)……。いずれにしろ、寄席に独演会にと付き合ってくれ、また資料を送り続けてくれた吉田さんに心から感謝申し上げます。 あと、もちろん、改めて落語の魅力を教えてくれた一之輔にも!

 以下は、『すばる』9月号の内容です。ご参照ください。

〔小説〕
高橋源一郎「ぼくたちはこの国をこんなふうに愛することに決めた」
足立陽「ハイのゆくえ」
神慶太「裂け目、あるいは穴」
〔特集〕
「落語がこんなに面白いとは」
(競作エッセイ)長嶋有、原田ひ香、広小路尚祈、トミヤマユキコ
(寄席体験記)滝口悠生「語られる言葉はどこに」
(演目ガイド)杉江松恋「ずいぶん遠くに来た、カムチャッカぐらい」
(評論)浜崎洋介「落語の笑い――春風亭一之輔試論」
〔対談〕
瀬戸内寂聴+金原ひとみ「書くこと、生きること」
茂木健一郎+小森陽一漱石脳科学
〔文芸漫談〕
奥泉光+いとうせいこうメルヴィル『書記バートルビー』を読む」
〔インタビュー〕
白石一文
〔第40回すばる文学賞予選通過作発表〕