批評の手帖

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『表現者』(2016年3月号―65号)に「『帝国』でも『マルチチュード』でもなく―『自由の条件』への視線」を寄稿しました。

 「『帝国』でも『マルチチュード』でもなく―『自由の条件』への視線」を寄稿した『表現者』の最新号(2016年3月号―65号)が先日自宅に届きました。
 今回は、去年のパリ同時多発テロを受けての原稿になりますが、懐かしのドゥルージアン=マイケル・ハートアントニオ・ネグリの『〈帝国〉』(2001年原著)を枕に、そのテロの背景について書いています。目新しいことは言ってませんが、少なくとも、現在のISを中心としたテロ活動が、伝統的なイスラム教とは無関係で、むしろ〈帝国=グローバリズム〉によって生み出された〈マルチチュード〉の発現形態の一種、その最悪の暴力形態ではないかという話をしています。
 良くも悪くも、あの牧歌的だった「ポストモダン」も今や遠い昔です。一読していただければ幸いです。