- 作者: 福田恆存,浜崎洋介
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2016/02/19
- メディア: 文庫
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この度のアンソロジーは、主に福田恆存の「文芸批評」を中心に編んでいます。『保守とは何か』が福田恆存の全体像を示した「原理篇」だったとすれば、『国家とは何か』は福田恆存の言葉を「九十九匹」の側から照らし出した「政治篇」だったと言うことができます。そして、この度の『人間とは何か』は、福田恆存の言葉に「一匹」の側から迫った「文学篇」とでも言うことができるでしょうか。ただ、この際ですから正直に言わせていただければ、この文学篇である『人間とは何か』のために、『保守とは何か』、『国家とは何か』のアンソロジーがあったと言っても過言ではありません。少なくとも、私自身が最も惚れ込んだ福田恆存はここにいます。
自分で言うのも何ですが、とてもいいアンソロジーに仕上がっています。「解説」も気合が入っています。買って絶対に損はありません。是非、よろしくお願い致します!
ちなみに、『人間とは何か』で福田恆存アンソロジー三部作はひとまず完結です(実は、もう一冊だけ「番外編」の構想を温めてはいますが…)。私自身も、これで福田恆存と首っ引きということも当分なくなるだろうと思いますが、その意味では、達成感と共に一抹の寂しさもあります。ただ、そろそろ自分自身の仕事に集中しなければとも思ってもいたので、丁度いい頃合いなのかもしれません。いずれにせよ、これまでこのアンソロジーを応援して下さった読者の皆様、また文藝春秋社の西さんに心より感謝申し上げます。ありがとうございました!