- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2015/01/06
- メディア: 雑誌
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既に公にしている事実ですが、私の文学的青春は「柄谷行人」と共にあり、かつ、その延長線上でNAMという政治運動にまで関わった過去があります。この度は、そんなかつての自分への「落とし前」をつけるつもりで一気呵成に書き上げました。もちろん、50枚程度の原稿で完全な「けじめ」が付けられるはずもありませんが、まずは最初の一歩だと考えています。いつの間にか論壇誌に書くことの方が多くなってしまいましたが、考えてみれば、文芸誌に載せる長編評論としてはこの「柄谷論」が自分のデヴュー作となります。その意味でも記念となる一歩でした。こんな私に機会をくれた編集部のYさんには心から感謝です。
また、私の他に6人の若手批評家―大澤聡氏、大澤信亮氏、田中弥生氏、福嶋亮大氏、山田航氏、渡邉大輔氏―が「文芸批評」の競作をしています。それぞれの個性を読み比べてみるのも一興かと。手にとって頂ければ幸いです。
ちなみに、この度の『すばる』2月号は、小林秀雄の全集未収録作品三つ(『満州新聞』初出)を収録するという大盤振る舞いです。そちらの方も要注目です。