- 作者: 三浦展,藤村龍至
- 出版社/メーカー: NHK出版
- 発売日: 2013/04/24
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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論の概要は、私自身が中学時代を過ごした神戸の西神ニュータウンでの経験を、改めて戦後史の経験のなかで捉え返し、その時代的社会的文脈と私自身の実存が交わる交点に「虚構の時代」(1975年〜1995年=ポスト・モダン)の後の〈リアリティー=生き方〉を提示しようとしたものです。しかし、それは「今、これが新しいリアリティーだ! これがゼロ年代以降の想像力だ!」といった浮かれた話ではありません。逆に、ようやく「戦後」の浮き足立った「文明開化」(「新しさ=価値」という幻想)が終わろうとしている現在、「私」の足元で〈私を支えているもの=私を超えているもの〉をこそ問い直すべきではないのかとの思いによって書かれています。
詳細は、読んでいただく他はありませんが、「郊外」という舞台に登場する主な人物は、幼い私の他に、酒鬼薔薇聖斗、三島由紀夫、吉本隆明、ハイデガーなどです。一見、社会学者風の議論を展開している部分もありますが、もちろん「社会」が「学」になど収まる訳はないと思っています。私が問いたいのは、ただ、人の「落着き」と「幸福」(快楽ではありません)は奈辺にあるのかということだけです。
いずれにしろ、読んで頂ければ幸いです。
以下は、amazonの書籍紹介文です。
内容紹介
ニュータウンの夢に何が起こったのか?現代の問題に気鋭の知が迫る現在知vol.1登場。「郊外に一戸建て住宅を持つ」そんな団塊世代のライフスタイルは終わりを迎えた。戦後的システムの制度疲労が集中する場所「郊外」を、座談と論考で多角的に解析。困難な問題を抱える郊外の再生を構想し、日本社会の未来を探る! 新雅史、上野千鶴子、速水健朗、水無田気流、馬場正尊ほか。
内容(「BOOK」データベースより)
「郊外に一戸建てを持つ」のがゴールという、団塊世代のライフスタイルは終わりを迎えた。郊外はいま、施設の老朽化や住民の高齢化など、日本社会の抱える問題が集中的に現れる場となっている。だからこそ、日本の再生を郊外から考えなければならない。評論家・三浦展と建築家・藤村龍至のもと、世代と領域を超えて論者が集い、日本社会の未来を探る。