批評の手帖

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『表現者クライテリオン』の最新号( 2021年5月号)が出ました!

表現者クライテリオン 2021年5月号

表現者クライテリオン 2021年5月号

  • 発売日: 2021/04/16
  • メディア: 雑誌
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 『表現者クライテリオン』の最新号(2021年5月号)が出ました!
 特集は「コロナ疲れの正体―暴走するポリコレ」です。ページ数は、発売所をビジネス社さんに変えてから最大の240頁で、座談、対談、インタヴィュー、論考とてんこ盛りの内容になっています。ここまで「領域横断」的で「自由」にゲストを呼んでいる雑誌は『表現者クライテリオン』だけだと自負していますが、今回も、その例に漏れません。是非、手にとって頂ければと思います。
 ただ噂によると、一部、三浦瑠璃氏を呼んだことで炎上しているとの話も耳にしました(笑)。が、「今更?」と思うのと同時に、内容を読む前から本当にバカバカしい話だと思います。最近になって『クライテリオン』を手に取った人は知らないのかも知れませんが、西部先生の『表現者』時代から、本誌には、佐高信氏から木村三浩氏、榊原英資氏から共産党の志位委員長まで、文字通り「右と左」「資本主義と共産主義」を超えて様々な方に登場していただいていますし、「領域横断」は『表現者』の十八番であるはずなんですが⋯。いや、逆に言えば「ホシュ」や「リベラル」といったラベルのついた蛸壺に「安全」に籠ろうとする態度ほど「硬直したポリコレ」を示したものもなく、それこそ「自己閉塞」の態度、つまり、オルテガの言うところの脊髄反射的な「大衆」にほかなりません。「対話」するだけの度量もなくて、何が「言論」かと言いたくなりますが…まぁ、そういうことで(笑)、文字通り「右」と「左」を超えて、「コロナ疲れの正体」と「ポリティカル・コレクトネス」の本質について様々な方に語ってもらっています。
 今回のコロナ自粛を巡っては、「リベラル」も「保守」も分裂しましたが、その意味では、「従来の対立軸」の仕切り直しにはもってこいの内容ではないでしょうか。手に取って頂ければ幸いです!

 ちなみに、私が直接関わっている仕事としては、まず、①特集座談「知識人は『ポリコレ』にどう向き合うか―『保守』と『リベラル』の対話を通じて」(東浩紀氏×辻田真佐憲氏×藤井聡編集長×浜崎)と、②與那覇潤氏インタヴィュー「『コロナ依存症』に陥った日本社会をどう癒すか―過剰自粛、ポリコレ、ポスト・トゥルースの時代を超えて」、それから、③論考「『ポリコレ』について私が知っているニ、三の事柄」の三つです。どれも読みごたえのある原稿にすることができたと自信を持っていますが、この場を借りて、東浩紀氏、辻田真佐憲氏、そして、與那覇潤氏には心から感謝申し上げます。ありがとうございました。
 私の論考も、久しぶりに「です・ます」で書いてますので(笑)、「思考しようとする人」なら誰でも分かるものになっているはずです。是非、一読、よろしくお願いいたします! 以下は、編集長の巻頭言と目次となります。

☆巻頭言

昨年から始まった「コロナ騒動」。第二波、第三波、そしてこの度の第四波と新型コロナウイルスの感染拡大の波が訪れる度に、政府も国民も慌てふためき、自粛だ時短だ緊急事態だと騒ぎ立ててきた。
そうした騒ぎを扇動したのが「コロナは怖い自粛しろ」という意見が政治的に正しい、すなわち「ポリティカル・コネクトネス」(ポリコレ)だという強固な認識だった。
しかしそれはあくまでもタテマエであり、コロナ騒動を繰り返す内に、世間の人々のホンネはコロナは当初危惧したほどに恐ろしいものではないというものに徐々に変遷していった。つまり人々はコロナに「慣れて」いったのである。
結果、コロナを巡るホンネはタテマエと大きく乖離し、それに伴い人々の間に「コロナ疲れ」が蔓延するに至った。
そのコロナ疲れはもちろん精神的なものであると同時に、社会的・経済的疲弊を意味するものであった。
私達はこの急激に肥大化しつつある「コロナ疲れ」に適切に対処することが出来るのだろうか?
是非、本特集を通して読者各位に、その方途をご吟味いただきたい。

表現者クライテリオン編集長藤井 聡


●目次

☆【特集】コロナ疲れの正体――暴走するポリコレ

・(座談会)知識人は「ポリコレ」にどう向き合うべきか――「保守」と「リベラル」の対話を通じて/東浩紀×辻田真佐憲×藤井聡×浜崎洋介
・(鼎談)なぜ日本では「自粛」が“政治的に正しい"のか――コロナ禍中の思考停止について/三浦瑠麗×宮崎哲弥×藤井聡
・(インタビュー)「コロナ依存症」に陥った日本社会をどう癒すか――過剰自粛、ポリコレ、ポスト・トゥルースの時代を超えて/與那覇潤×聞き手浜崎洋介
・(対談)コロナ自粛「腰抜け」論に抗え!/小林よしのり×藤井聡
アメリカに吹きすさぶポリコレの嵐――民主党の「改造」は何をもたらしたか/会田弘継
・「ポリコレ」について私が知っている二、三の事柄/浜崎洋介
道徳感情、燃ゆ/綿野恵太
ポリティカル・コレクトネスの何が問題か――アメリカ社会にみる理性の後退/ベンジャミン・クリッツァー
・社会に蔓延る「ポリコレ」――その心理的背景/加藤真人


☆【連載対談】
・永田町、その「政」の思想(第3回)大衆社会と如何に対峙するか/佐藤優×藤井聡
・大変動期を語る(後編)資本主義の地殻変動/鎌田浩毅×柴山桂太


☆【連載】
・「先進国で日本だけが」ばかりの日本国/大石久和(「危機感のない日本」の危機)
・欧米保守思想に関するエッセイ第2回 ソルジェニツィン Part2/伊藤寛
SNSがもたらす「沈黙の二重螺旋」/松林 薫(逆張りのメディア論)
マルクスの亡霊たち――思想に殺された作家たち1/富岡幸一郎(虚構と言語戦後日本文学のアルケオロジー)
・災害で進化する都市/竹村公太郎(地形がつくる日本の歴史)
・早稲田に直己先生がいた時代/平坂純一(保守のためのポストモダン講座)
・菜食主義を考える――倫理はいかにして成熟するのか/川端祐一郎(思想と科学の間で)
・「領土」について政治哲学的に考える――コスモポリタニズム批判㊅/白川俊介(ナショナリズム再考)
・帰らなかった日本人妻たち――慶州ナザレ園にて/仁平千香子(移動の文学)
・「英語化が経済成長を促す」は本当だろうか? ――言葉から考える7/施光恒(やわらか日本文化論)
・編集長クライテリア日記/藤井聡
・メディア出演瓦版/平坂純一


☆【寄稿】
ゲルニカカサブランカ/橋本由美


☆【書評】
『農の原理の史的研究 「農学栄えて農業亡ぶ」再考』藤原辰史 著/田中孝太郎
財政赤字の神話 MMTと国民のための経済の誕生』ステファニー・ケルトン 著/金濱裕
『新たな極右主義の諸側面』テーオドル・アドルノ 著/前田龍之祐
『ヨーロッパ冷戦史』山本健 著/篠崎奏平
金子兜太 俳句を生きた表現者井口時男 著/薄井大澄
小津安二郎への旅 魂の「無」を探して』伊良子序 著/玉置文弥


☆【その他】
表現者賞・奨励賞発表
・スガノミクスが地方を滅ぼす/お為ごかし徹底批判のための真摯な勇気を(鳥兜)
・死ぬ機会の「ジェンダー・ギャップ」/選択的夫婦別姓論の短絡(保守放談)
・読者からの手紙

 あと、そうそう、明日はいよいよ松本シンポジウムですね。「松本」と言えば思い起こされることは多いんですが、それを語るのは、シンポジウムにとっておきます。近隣にお住まいで、ご興味のある方は、是非、会場でお会いしましょう!
 詳しくは以下のページをご参照ください(ちなみに、参加申し込みが多く、以前予定されていた場所から会場変更になりました。お間違えなく!)。
the-criterion.jp