批評の手帖

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『大岡信ことば館便り』(2013春―季刊第11号)に寄稿しました。

 


 この度、『大岡信ことば館便り』(2013春号―季刊第11号)に「大岡信保田與重郎−「日本的美意識」の問題」という評論を寄稿しました。
 久しぶりの「文芸批評」っぽい仕事です。

 内容は、政治色の強かった戦後詩壇の中で、西欧派のブリリアントな現代詩人、あるいは「ただ一人の芸術派の論客」(三浦雅士)として知られていた若き大岡信氏が、なぜ「軍国主義者・超国家主義者」として公職追放令を受けていた保田與重郎を、自らの必然として扱わざるをえなかったのか、といったものです。
 「保田與重郎ノート」(1958年)を書いた若き日の大岡氏の、保田與重郎への能う限りの共感と、しかし、最後の一歩における齟齬。そのあたりのことを、日本で「現代詩」を書くことへの「問い」と重ね合わせながら読んで頂ければ幸いです。

 以下は「大岡信ことば館便り」のHP(http://www.zkai.co.jp/kotobakan/about/tayori/index.html)に掲載されている11号の目次です。

大岡信ことば館便り」 第11号(春号)
発行 : 2013年3月1日
●目次
星間物質と恋――大岡信氏に・・・・・吉増剛造 大岡信との絆を語る――「櫂連詩」から「ファザーネン通りの縄ばしご」まで ・・・・・ 谷川俊太郎×三浦雅士
水底吹笛――クリアな日本語で歌う ・・・・・ 木下牧子
大岡信保田與重郎――日本的美意識という問題・・・・・浜崎洋介
我が分身・・・・・宇佐美爽子
宇佐美さんの思い出・・・・・大澤真幸
座談会「家持と女たちの恋のうた」 ほか