批評の手帖

浜崎洋介のブログです。ご連絡は、yosuke.khaki@gmail.comまで。

『月刊おとなりさん』インタビューと、「毎日ナビゲート」

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 上に掲げた記事は、大田区の地域雑誌『月刊おとなりさん』(4月号)の「創刊38周年記念特集・三島由紀夫」の一部、『三島由紀夫―なぜ死んでみせねばなれあなかったのか』(NHK出版)を元にしたインタビュー記事です。巻頭の13頁で三島由紀夫を特集していますが、そのなかで4頁もの紙幅を割いてインタビューを載せていただきました。私の三島観を相当正確に拾っていただいています。一読していただければ幸いです。


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 あと、いつもの毎日ナビゲートですが、若い友人の薦めで『シン・エゥアンゲリオン劇場版』を観に行った際の感想です。
 映像の娯楽性はともかく、正直、作品単体での出来はそこまでいいとは思えませんでしたが、エヴァが受容されてきた四半世紀の文脈は重要かと思っています。これを書くために、わざわざTV版の「新世紀エヴァンゲリオン」の一部を観返した上で、新たに「エヴァンゲリオン新劇場版」の「序」「破」「Q」を観ました。さすがに700字では全く語り足りず、完全に欲求不満の文章になっていますが(汗)、一読していただければ幸いです。

表現者大学(オンライン読書会)、動画コンテンツのお知らせ。

 最近はものを書くより、動画の露出の方が多くなってきている気もしますが(苦笑)、明日の2月27日(土)18:30〜、小林秀雄「様々なる意匠」読書会を行います。
 私自身、学部一年目に小林秀雄の「様々なる意匠」を読んだことによって、「現場に足を置き」つつ、なお「時代現象を超えた言葉」があり得ることを確信したのを覚えています。それ以来、小林の「様々なる意匠」を何度読み返してきたことか…。読書会のために改めて再読したいと思いますが、参加者の皆さんと共に、今なお新鮮な小林の言葉を味わうことができればと思っています。詳しくは以下(↓)から、よろしくお願いいたします。
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 あと、引き続き、経営科学出版さんの方で作っている講義コンテンツ(近代日本精神史)の一部と、三橋TVの動画2本です(『クライテリオン』で書いた菅義偉論のサワリと、その参謀=竹中平蔵についての解説です)。
 講義コンテンツは、もちろん、ほんの一部ということですが「何となくの雰囲気」は伝わるのではないでしょうか(サムネイルはおどろおどろしいですが…)。こういう感じで、①戦前篇4巻(幕末~明治~大正~昭和初期~大東亜戦争)、②戦後篇4巻(戦後~理想の時代~夢の時代~虚構の時代)、③平成篇4巻(制作中)を作っています。よろしければ、是非。

メルマガ、松本シンポ、動画コンテンツその他

 今年は、できれば月一程度でメルマガを書きたいと思っているのですが、その第二弾「文化とは何か―『保守思想』と『過剰自粛』」です。聞きなれない固有名もあるかと思いますが、誰が読んでも分かるように書いています。「文化」についての原理論として読んでいただければ幸いです。
 それにしても、今回久しぶりに書いてみて実感しましたが、メルマガは無料で読んでもらえるところがいいですね(笑)。対価や紙幅を考えなくていいので、ウィトゲンシュタインやら、ブランケンブルクやら、オークショットとやら…..自分の「趣味」に近づけて書くことができます。これからも「趣味を深める場」として(笑)、メルマガのエンジンをふかしていきます!
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 で、4/17(土)「信州・松本シンポジウム」のお知らせです。本来なら去年の4月にやっていたはずのものなんですが、このバカバカしいコロナ騒動のために一年延びてしまいました。が、その分、こちらの「やる気」も上がっています。是非、ご参加いただければと思います。何とぞ、よろしくお願いいたします。
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 最後に経営科学出版さんの方で作っている講義コンテンツの宣伝動画です。
 冒頭の動画は少々仰々しい感じになってますが(…苦笑)、プロモートは経営科学出版社さんに、お任せするしかありません。とはいえ、もちろん講義内容に関しては自信を持っています。これまで、大学や表現者塾その他の場所で講義してきた内容を一挙に纏めた「日本近代精神史」になっています。
 現在、「平成篇」を鋭意制作中ですが、明治から昭和戦前期、戦後から平成、そして現代までを総括する今回の仕事(歴史叙述)は、私自身にとっても改めて勉強になりました。興味がありましたら、是非、こちらの方で概要・目次などを確認していただければ幸いです(→https://pages.keieikagakupub.com/cpm_hmki1_s_d_12800_vip_tk-1/)。

『表現者クライテリオン―抗中論・超大国へのレジスタンス』(最新刊)のお知らせと、訂正とお詫び

表現者クライテリオン 2021年3月号

表現者クライテリオン 2021年3月号

  • 発売日: 2021/02/16
  • メディア: 雑誌
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 『表現者クライテリオン』の最新刊(3月号)が刊行されます。今回の特集は第一に「抗中論・超大国へのレジスタンス」で、第二に「コロナが導く社会崩壊」ということでダブル特集になっています。ということは、座談もダブルで、私自身「『中国の夢』という驚異」と「『国民の幸福』の最大化をめざせー″自粛か経済か”の不毛」という二つの座談会に出ているんですが、まず最初に「お詫びと訂正」を申し上げておかなくてはなりません。第二特集の座談会の浜崎発言を補足した括弧内の記述で(93頁上段1行目)、一部初歩的な間違いをやってしまっています。
 死亡者数÷感染者数×100で「致死率」を導くところを、肝心の「×100」を忘れてしまうというポカをやっており、その結果、コロナの致死率を括弧内で(0.01%)と記してしまっています。正確には「1%」、より正しくは「1.4%」です。そんなに低いはずはないと、ずっと引っかかっていたんですが、ポカに気づいたときには既にゲラは校了しており(締め切りギリギリだったので、校閲も間に合わず…)、ここで訂正とお詫びを申し上げなくてはならなくなってしまったという次第です。補足的に入れた数字なので論旨に影響はないとはいえ、この度の私の不注意、誠に申し訳ありませんでした(そのおかげで、その後に書いた毎日ナビゲートの数字は正確なものにできましたが…)。
 ただし、それ(浜崎の不注意)以外の点では、100%自信をもってお届けできる出来になっています! 内容について一々書いていると長くなるのでやめますが、手にとっていただければ幸いです。詳細は、藤井聡編集長の動画、及び以下の目次をご覧ください。

巻頭言
 コロナ禍の中で、日米欧の没落が激しく加速している中、「一人勝ち」の中国の存在感は一気に拡大し、
2028年にはGDPアメリカを追い抜くという観測も出始めた。このままなら香港のみならず早晩、
台湾・尖閣を飲み込みかねない勢いだ。
 事ここに至れば、我が国は冊封体制から抜け出すことに成功した古代日本と同じく、これまでのような
侮蔑の念を軸とした単なる嫌中的態度を打ち捨て、虚心坦懐この状況を見て取り、中国の強大さを過不足
なく認識した上で「中国に抗う」姿勢を鮮明に打ち出す他ない。それができねば我が国日本は米国から
のみならず中国からも独立を勝ち取ることはできなくなる。すなわち我が国は今、アメリカのみなず
中国もまたもう一つの我が国と隣接した「超大国」であると見定め、侮ることなく、まして媚びへつらい
付き従うことない「レジスタンス」の姿勢を保ち続ける覚悟を持たねばならないのである。
                              表現者クライテリオン編集長 藤井 聡

【特集1】抗中論 超大国へのレジスタンス
(座談会)「中国の夢」という脅威/福島香織×藤井聡×柴山桂太×浜崎洋介×川端祐一郎
・(対談)東アジアの中国と日本(前半)中国を知らない日本人/岡本隆司×藤井聡
・まずは尖閣を死守せよ――“縮小の時代”にふさわしい日本外交とは?/近藤大介
・世界の豚肉の半分を食べる国――生産の半分が失わせて見えた食料事情/岩田寛史
・中国はなぜ情報通信ネットワークの掌握を狙うのか/小原凡司
・ディスインフォメーション・キャンペーンを仕掛ける中国――日本への影響をどう抑え込むか/桒原響子
・親中の何が悪い――理念なき国家の“敗北”/小幡敏

【特集2】コロナが導く社会崩壊
(座談会)「国民の幸福」の最大化をめざせ――“自粛か経済か”の不毛/藤井聡×柴山桂太×浜崎洋介×川端祐一郎
非正規労働者を見捨てるな!――1000件のSOSが訴えるこの国の窮状/雨宮処凛
・コロナを過大視する日本人の心理の背景とその悪影響/和田秀樹
・“自粛強要”で経済を壊すな――緊急事態に陥る“社会の底辺”/鈴木傾城
・コロナ禍中の感情過多と過剰倫理/川端祐一郎

【連載対談】
・大変動期を語る(前編)資本主義の地殻変動/鎌田浩毅×柴山桂太
・永田町、その「政」の思想(第2回)「亡国」を巡る思想と実践/佐藤 優×藤井 聡

【新連載】欧米保守思想に関するエッセイ
第1回 ソルジェニツィン Part1/伊藤寛

【連載】
財政制度等審議会の理解力/大石久和(「危機感のない日本」の危機)
種苗法改正の何か問題なのか?――農家の視点から考える/松平尚也(農は国の本なり)
・なぜ中国はコロナ対策に「成功」したのか/松林 薫(逆張りのメディア論)
・宗教原理主義の預言書『邪宗門』/富岡幸一郎(虚構と言語 戦後日本文学のアルケオロジー
・妄りな非本質主義 ミシェル・フーコー/平坂純一(保守のためのポストモダン講座)
・移動の自由がもたらす「リベラル・ディストピア」――「移動せずともよい社会」を目指して(三)コスモポリタニズム批判㊄/白川俊介(ナショナリズム再考)
・江戸のハードインフラを守る文化というソフト――日本堤と隅田堤の物語/竹村公太郎(地形がつくる日本の歴史)
・編集長クライテリア日記/藤井聡
・メディア出演瓦版/平坂純一

【寄稿】
ダウントン・アビー》にみるサムウェア族的価値観とブレグジット佐藤慶

【書評】
『私の人間論 福田恆存 覚書』福田恆存 著/薄井大澄
感染症と民衆 明治日本のコレラ体験』奥武則 著/篠崎奏平
『想像力「最高に高揚した気分にある理性」の思想史』メアリー・ウォーノック 著/酒井佑陶

【その他】
・バイデン大統領誕生に際して――問われる戦後の「JAP.COM」/ 社会崩壊の兆し――「自殺」というもう一つの感染症(鳥兜)
・脱炭素より脱貧困を / コロナ騒動と「常識」の死滅(保守放談)
・読者からの手紙

「毎日ナビゲート」、その他

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 今回の「毎日ナビゲート」の記事も、飽きず「コロナ騒動と『常識』」です。「またか」と思われそうですが、一節を抜き出しておきます…「かつて、精神科医木村敏は『信号が赤であるか青であるかの認識についての「常識」などというものはない。「常識」が問題となるのはむしろ、赤や青の信号を見て立ちどまるか歩き出すかの実践的行動なのである』(『異常の構造』)と書いた。今回の事で言えば、新型コロナが有毒だと言うのは『認識』にはなり得ても『常識』にはなり得ないということだ。『常識』が問われるのは、ウイルスの程度を見た上で、どの程度『立ちどまる』のか、あるいは『歩き出す』のかの実践においてだからだ。現に、赤だからと言って、車が来ない横断歩道で一時間立ちどまり続ける者に私たちは狂気を感じる。」
 要するに、この程度のウィルス(=被害)で、私権制限も辞さず「立ちどまり」続けている日本人は、端的に「バカなのではないか」ということです。
 
 この際、ついでに、日本人の「バカさ加減」を助長しているメディアが、いかに「狂っているのか」を示した記事を二つ紹介しておきましょう。分かっていたこととは言え、こうやって纏めて示されると呆れるしかありません(苦笑)
www.dailyshincho.jp
www.dailyshincho.jp

 

批評家の高原到さんに書評を頂きました!

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 『週刊金曜日』(1月22日刊行号)紙上で、高原到さんの「三島由紀夫自殺の謎に対照的なアプローチで迫る2書」という書評を頂きました。佐藤秀明氏の『三島由紀夫―悲劇への欲動』(岩波新書)と、拙著『三島由紀夫―なぜ、死んでみせなければならなかったのか』( シリーズ・戦後思想のエッセンス/NHK出版)の二冊を取り上げて、それを「間テクスト的に読むこによって、その狭間に立ちあがってくる三島由紀夫の暗い奥行きを触知」した素晴らしい書評です。自分で言うのも何ですが、大変正確な「読み」をして頂いたと思っています。
 私なりに換言すれば、私の本は、三島由紀夫の「骨から肉へ」到達することを目ざしていて、佐藤氏の本は、三島の「肉から骨へ」ことを目ざしているとでも言ってもいいかもしれません。高原さんの書評、是非一読していただければと思います!(で、気になれば、ついでに私の本も…笑、よろしくお願いします)。

 あと、そういえば久しぶりにメルマガを書いたんでした…(汗)。今年は最低限、月一でメルマガを書きますので!、そちらの方も(『表現者クライテリオン』メールマガジン | 表現者クライテリオン)どうぞよろしくお願いいたします!
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辻田真佐憲さんと対談してきました!

shirasu.io
 去る、1月22日(金曜日)の夜、辻田さんと対談してきました。ただ、経験的に言うと、あれは「対談」ではなくて「放談」。ワインが用意されており、調子に乗って、それを次から次に飲んでしまったために、最後は完全に泥酔状態でした(どうやって帰ったかあまり記憶にないんですが…といことは「悪口」もヒートアップしていないといいんですが…汗)。完全に辻田さんの掌の上で踊らされてしまいましたね(笑)。
 クローズドな(=課金制の)オンラインサロンだからできることとはいえ、場所取りも、設営も、全部ご自分でやっているということで、そのホストっぷりには本当に頭が下がります。それに加えて、こんな酔っ払いの相手までして、心から、辻田さんお疲れさまでした。また、ありがとうございました!