『新潮』（2015年9月号）に古井由吉『雨の裾』の書評「『翁』の文学の到来」を寄稿しました。

新潮 2015年 09 月号 [雑誌]

　古井由吉氏の短編集『雨の裾』（講談社）の書評「『翁』の文学の到来」を寄稿した『新潮』（2015年9月号）が昨日、自宅に届きました。
　正直、同時代の古井作品について、自分が何かを書ける日が来ると思ってはいませんでした。その意味では、この度の仕事は大変光栄であったのと同時に、大変勉強にもなりました。古井文学の核心にある「呪文性」の境域を、たとえば能舞台の『翁』を引き合いにしなながら論じた書評になっています。「小説」より以前の「文学」の記憶を手繰り寄せようとする古井文学の試みを少しでも掬うことができていればと思います。一読していただければ幸いです。
　毎度のことながら、丁寧な校正を頂いた清水さんには感謝しております！