批評の手帖

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現代演劇協会主催―『明暗』上演(2012年11月28日〜12月2日)の宣伝


 
 来る11月28日〜12月2日、(財)現代演劇協会主催で福田恆存作の詩劇『明暗』が紀伊国屋サザンシアターで上演されます。
 去年から生誕100年を記念して、現代演劇協会主催で福田恆存の戯曲『堅塁奪取』や『一族再会』(池袋シアターグリーン)なども上演されてきたが、その最後を飾るのが、この詩劇『明暗』。おそらく、この機を逃すと次に見る機会はなかなか回ってこないはず。もちろん、私も足を運ぶつもりです。

 初期には、サルトルばりの不条理劇を書き、後に最も早い〈近代劇=新劇〉批判を展開しながら、なお、アングラ的な「肉体主義」にも陥らなかった福田恆存の「劇的なるもの」の魅力を伝える機会は、そう滅多にはない。しかも、この度の『明暗』は、T・S・エリオットが言う「詩劇」を日本語で実践しようという野心作。
 この国では、戦後詩の「荒地」派がエリオット・イメージに誤解を与えたが、福田のエリオット理解は正統中の正統。いや、エリオットの批評と、福田のエリオット論を読み比べると、福田はエリオット以上にエリオットを理解しているとさえ思えてくる・・・と、ここで福田恆存論を展開していると切りがないので、ここらで詳細を。
 下記は、サザンシアターのHP(http://www.kinokuniya.co.jp/label/20120918131000.html)からの引用です。

(財)現代演劇協会主催
「明暗」

■日程  2012年11月28日(水)〜12月2日(日)
■作   蘄田恆存
■演出  蘄田逸
■出演
寺内よりえ 要田禎子 林佳代子 服部幸子
吉田直子 舞山裕子 岩田翼 鳥畑洋人
田中正彦 清田智彦 本田次布

■ストーリー
主人公の康夫は太平洋戦争の直前に事故で失明する。戦後10年、光を閉ざしてきた彼は自らの意志で開眼手術を受け、敢えて「過去を見ること」を受け入れる。康夫の「過去」とは旧満州国の新京での出来事、そして幼い息子を置きざりにしての引き揚げ・・・。退院するその日、康夫を迎えるために集まった人々。甦った光明。しかし康夫が取り戻したその光は親子、姉妹、夫婦の過去の真相を白日の下に晒していく。秘密を隠すことで辛うじて保ってきた関係が、今まさに崩れ去ろうとしている。
 
■日程表
11月28日(水)―19:00〜
  29日 (木)―14:00〜
  30日(金)―19:00〜
12月1日(土)―14:00〜
  2日(日)―14:00〜

《チケット情報》
■入場料金[全席指定] 一般 5,500円 学生 3,500円
■チケット発売 10月15日(月)
■前売券取り扱い
   キノチケットカウンター(新宿本店5階/店頭販売のみ 受付時間10:00〜18:30)
  演劇企画JOKO・電子チケットぴあ

■お問合せ 演劇企画JOKO 03-6907-9213(平日10:00〜18:00)