批評の手帖

浜崎洋介のブログです。ご連絡は、yosuke.khaki@gmail.comまで。

藤田直哉氏プロデュース:『攻殻機動隊』をめぐる、安田登氏との対談「新しい時代をめぐる身体のゆくえ」!


theghostintheshell.jp
 今、講談社が進めている攻殻機動隊特集の企画で(後日書籍化して、英語版まで出版予定とのこと)、先日、SF評論家の藤田直哉氏(日本映画大学准教授/東工大井口時男研究室の後輩です)のプロデュースで能楽師の安田登氏と『攻殻機動隊』について対談してきました。と、いきなり言われても、「なんでお前が『攻殻機動隊』について語ってんだ」とか、「なんで能楽師の安田さんとの対談なんだ」とか、色々謎があると思います(笑)。
 が、藤田さんに言わせると、『攻殻機動隊』のシリーズのなかでも、特に漫画の原作と、押井守監督のアニメ『ゴースト・イン・ザ・シェル』と『イノセンス』は、東洋的身体論が展開されているとのこと。それなら、「伝統」とか言っている浜崎と、まさしく日本的身体技法を知り尽くしている能楽師の安田さんを引き合わせれば、面白い化学反応があるのではないかと思ったとか思わなかったとか…(笑)。いずれにしろ、なかなかない貴重な機会を頂いたわけです。
 とはいえ、私自身、あまりに大胆な企画のため、久しぶりに緊張していたんですが、結果的には、物凄く充実した時間になりました。押井守の2つのアニメも、今見直すと、なるほど確かに興味深いし(特に『イノセンス』)、何よりも、安田さんとの対談自体が、終わってしまうのがもったないくらい刺激的でした。
 途中から『攻殻機動隊』が完全に置いてきぼりになってますが(汗)、もし、お時間あれば、一読いただければ幸いです。
 また、最後になりましたが、この対談を纏めて構成してくれたフリー編集者の川田洋平氏には心からお礼を申し上げたいと思います。甲斐啓二郎氏のド迫力の写真で、言葉の方が霞んでしまっている気もしないではないですが(笑)、本当にいい対談をさせていただいたと思っています。

 それにしても、大学院時代の先輩・後輩の関係で、こういう仕事ができる日が来るとは…と少々感慨深いものがあります。藤田さん(当時は、「藤田くん」、あるいは「藤田!」って呼び捨てにすることもあったと思いますが...汗)を駒込の安アパートに呼びこんで互いに議論したのも20年近く前になるのか…と思うと、ただ関係が続いているというだけで、もう何でもいいような気がしてきます(これぞ、バークの言う「時効」の効果でしょうか・笑)
 ちなみに、下記のサイトは講談社攻殻機動隊特集全体のWEBページです。よろしければ、こちらの方も是非。
theghostintheshell.jp