批評の手帖

浜崎洋介のブログです。ご連絡は、yosuke.khaki@gmail.comまで。

「参院選」の結果を受けて―「ナビゲート2019」その他の記事を書きました。

mainichi.jp
 今回の参院選の結果を受けて、毎日新聞に「『ポピュリズム』の萌芽」というコラムを寄稿しました。
 イギリスでは、ハードブレグジットも辞さないと言うボリス・ジョンソンが新首相の座に就きましたが、今や、グローバリズムと緊縮で傷ついた世界では何が起こってもおかしくありません。吹き荒れるMMT批判を見ても分かるように(真っ当な批判には耳を傾けたいと考えているものの、あまりに誹謗中傷のレベルが多すぎます)、日本のメディア・知識人の感度は相変わらず低いですが、今回の「れいわ新選組」の躍進は(しかも、「れいわ新選組」はMMTを主張しています)、まさに、そんな彼らの予想を裏切る結果を示しています。年収200万円以下の貧困層が900万人以上にまで拡大していると言われる現在、ネオリベ路線(安倍晋三的なるもの)からの「転換」がない限り、日本の沈没が加速していくことはもちろん、この「ポピュリズム」傾向が拡大していくことも間違いありません。
 ちなみに、故・西部邁先生の言葉を借りれば、「ポピュリズム」(人々=人民主義)と「ポピュラリズム」(人気取り)は違います。過去にあった小泉現象や、橋本現象、はたまた小池現象などは、メディアの支持を取り付けて盛り上がった「ポピュラリズム」です。が、今回の「れいわ現象」は(そして、トランプ現象もブレグジットも…)、少なくとも積極的なメディアの支持はなかったはずです。つまり、「れいわ新選組」は、純粋に「人々」の怒りや不満や主張を、その原動力にしているということです。

 あと、最後に参院選絡みで書いたメルマガと、チャンネル桜の討論も紹介しておきます。「保守派」の方々の感度を確かめるにはいいかもしれません(笑)
the-criterion.jp
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