批評の手帖

浜崎洋介のブログです。ご連絡は、yosuke.khaki@gmail.comまで。

福田恆存『私の英国史』(中公文庫)の「解説」を書きました。

私の英国史 (中公文庫)

私の英国史 (中公文庫)

 今朝、私が「解説」を寄せた福田恆存『私の英国史』(中公文庫)の見本が自宅に届きました。
 福田恆存が書いたユニークな「英国史」(ノルマン朝からステュアート朝チャールズ二世まで)と、福田逸先生翻訳のジョン・バートン編「空しき王冠」を収めた『私の英国史』ですが、この度の文庫化に当たり、『全集』未収録の福田恆存の「あとがき」と、逸先生の「文庫化に際して」と題した文章を収め、新装版としての読み応えも十分です。
 税抜き1200円と、文庫にしては少々値が張りますが、教科書風の「英国史」よりずっと刺激的で味わい深いことは間違いありません。発売は21日からということですが、手にとっていただければ幸いです。


 
 また、こちらは私は関係していないのですが、先日刊行された福田恆存『人間の生き方、ものの考え方―学生たちへの特別講義』(文藝春秋)も味わい深い本でした。
 これは『全集』『著作集』未収録の福田恆存の講演録ですが、学生に向けての講話なだけあって、福田恆存の思想のエッセンスが噛んで含めるように分かりやすく説かれています。実際「福田恆存入門」としては絶好の本ではないでしょうか。
 また、巻末に付された逸先生の「一度は考えておくべきこと―解説に代えて」という文章も、福田恆存の「生き方」を知る上で大変興味深い文章でした。是非一読お勧め致します。